2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体内での軸索形成機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
25123705
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
貝淵 弘三 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00169377)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経科学 / 発生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞は高度に極性化した細胞であり、通常1本の軸索と複数の樹状突起を形成する。現在までに、我々を初めとする複数のグループが培養神経細胞の軸索形成を制御する細胞内外のシグナル伝達経路を明らかにしてきた。しかしながら、生体内でどのような細胞内外のシグナルが軸索を決定しているのかについては、未だ不明のままである。本研究課題では、生体内での軸索形成を制御する細胞内外のシグナルネットワークを包括的に明らかにすることを目的とする。 まず、我々は生体内で神経細胞が極性を獲得する過程を可視化したところ、約60%の多極性細胞が始めに軸索を形成し、その後に樹状突起を形成することを明らかにした。さらに、残りの40%の多極性細胞は先に樹状突起を形成し、その後に軸索を形成することが判った。前者では、多極性細胞の未熟な突起が早生まれの神経細胞の軸索に接触することによって、神経突起から軸索への変化を誘導することを見出した。この結果を踏まえ、様々な接着分子の関与を検討したところ、TAG-1の遺伝子発現抑制が生体内の軸索形成を阻害することが判った。さらに、我々はTAG-1依存的な細胞間相互作用が細胞内でSrcファミリーキナーゼLynを介したRac1の活性化を誘導し、軸索伸長を制御していることを明らかにした(Namba et al., Neuron, 2014)。後者においては、多極性細胞の未成熟な突起と放射状グリア細胞との接触により、樹状突起の形成が誘導され、反対側の突起が軸索へと誘導されることを明らかにした。また、この過程に接着因子N-cadherinを介した低分子量GTPase RhoAとRac1の局所的な活性化が関与していることも見出した。これらの結果から、生体においては、これらの二つの分子機序によって神経細胞は適切に極性を形成していることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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