2013 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の形態形成と投射形成を制御する新規分子機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
25123720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
新谷 隆史 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 准教授 (10312208)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大脳皮質 / 神経回路 / 神経軸索 / 樹状突起 |
Research Abstract |
神経細胞の移動や神経軸索及び樹状突起の伸長、シナプス形成においては、神経細胞内の細胞骨格系の動態の変化が重要な役割を果たしているが、外部からの情報に応じて細胞骨格系の動態を制御する機構については依然不明な点が多い。我々は、癌抑制因子であるAPC (Adenomatous polypolysis coli)と相同性が高く、神経系に特異的に発現するAPC2について研究を進めてきた。APC2は複数のドメイン構造を有する分子量約230キロダルトンの巨大分子である。我々は、APC2がアクチン繊維並びに微小管と共局在し、それらの動態を制御していることを見出している。また我々は、APC2遺伝子欠損マウスを作製し、詳細な解析を進めている。これまでに、APC2遺伝子欠損マウスの大脳皮質、海馬、小脳、嗅球等の脳内の様々な領域において、神経細胞の移動の異常に起因する層構造の異常を観察している。本研究においては、APC2遺伝子欠損マウスについてさらに詳細な解析を行うことにより、神経回路形成におけるAPC2が関与する細胞骨格制御機構の役割を明らかにすることを目的とする。 大脳皮質の神経細胞の軸索投射について、DiI等のトレーサー試薬を用いて解析を行ったところ、APC2遺伝子欠損マウスの脳梁や皮質脊髄路等において軸索投射の異常を見出した。これらの結果から、APC2は様々な神経軸索の投射形成において重要な役割を果たしていることが推測された。また、APC2は、さまざまな軸索ガイダンス分子に対する応答性の決定に関与することにより、これらの投射形成において機能すると考えられる。現在、この点を明らかにするために詳細な解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
APC2遺伝子欠損マウスの解析について、おおむね予定通りに進行しており、また、当初の予想以上の興味深い結果を得られつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの解析を継続して進めるとともに、新たに下記の項目について解析を行うことにより、神経回路形成におけるAPC2が関与する細胞骨格制御機構の役割を明らかにすることを目指す。 (1)APC2が関与する情報伝達機構の解析 (2)知的障害をもつ患者で見つかったAPC2遺伝子の変異の解析
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] SPIG1 negatively regulates BDNF maturation.2014
Author(s)
Suzuki, R., Matsumoto, M., Fujikawa, A., Kato, A., Kuboyama, K., Yonehara, K., Shintani, T., Sakuta, H., and Noda, M.
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Journal Title
Journal of Neuroscience
Volume: 34
Pages: 3429-3442
DOI
Peer Reviewed
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