2014 Fiscal Year Annual Research Report
錐体細胞多様性と皮質領野間結合構築
Publicly Offered Research
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
25123723
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
川口 泰雄 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 教授 (40169694)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 前頭皮質 / 皮質間結合 / 局所回路 / 錐体細胞 / 橋核投射細胞 / 線条体投射細胞 / トップダウン投射 / ボトムアップ投射 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに前頭皮質の錐体細胞を、皮質下構造・対側皮質への投射、樹状突起形態、分子発現、発火パターンで分類し、それらの間にある結合関係を解析してきた。しかし、このようにして同定した錐体細胞が同側皮質結合にどのように関与するかは不明であった。そこで錐体細胞の近接・遠隔皮質投射先と、そこでの軸索終末の層分布を解析した。 遠隔皮質との結合では、片方の領野からもう一方への投射細胞が2/3層にある場合、別方向の投射細胞は5層に見られた。一方、近接皮質との結合では、投射細胞はどちらの領野でも2/3層、5層の両方に分布していた。軸索終末分布も投射先、特に1層・2/3層で異なっていた。これらの投射細胞・軸索終末の層分布様式から、皮質間投射のトップダウン・ボトムアップ方向を推定した。 前頭皮質5層の錐体細胞には、二種類の主要な皮質下投射サブタイプ、交叉性線条体投射細胞と橋核投射細胞があり、それらの間には、前者から後者へのシナプス結合階層性が見られる。どちらの錐体細胞も同側皮質へ軸索を出していたが、その投射様式は異なっていた。交叉性線条体投射細胞が近接・遠隔両方の皮質間投射をしていた一方、橋核投射細胞は主に近接領野、特にトップダウン方向へ投射していた。この二つのサブタイプでは、投射先での神経支配層も違っていた。交叉性線条体投射細胞は1層下部(1b層)・2/3層へ、一方、橋核投射細胞は1層上部(1a層)へより多くの軸索を出していた。これらの観察から、局所結合階層性と領野間結合階層性との関連を初めて明らかにすることができた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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