2014 Fiscal Year Annual Research Report
大脳新皮質の飛躍的なニューロン産生増加の基盤メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
25123726
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
岡戸 晴生 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 副参事研究員 (60221842)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | RP58 / 大脳新皮質 / 転写抑制因子 / OSVZ |
Outline of Annual Research Achievements |
RP58は大脳新皮質に強く発現する転写抑制因子であり、その発現は、これまでの解析から細胞周期離脱、ニューロンの放射状移動、成熟、に必要であることを明らかにしてきた。とくに、細胞周期離脱に関しては、RP58欠損マウスにおいて、細胞周期離脱が阻害されている部位は、脳室帯の脳表面側であることを見いだした。そして、同じ部位でPax6陽性細胞が観察された。そこで、われわれは、この層が、霊長類を含む高等ほ乳類でみられるOSVZ(外側脳室下帯)に相当するものである可能性を考えた。OSVZは、Pax6陽性増殖層として知られ、浅層ニューロンの数を飛躍的に増加させる機能を有すると考えられる。そこで、この形成過程のメカニズム解明の糸口を得ることを目的として本課題に取り組んだ。 RP58の欠損では出生直後に死亡するため、大脳皮質でのみRP58を欠損するマウスを作製するためにRP58floxマウスとEmxCreマウスを交配した。RP58KOマウス同様に、OSVZ様の構造が見られた。RP58が欠損していると、ニューロン移動や成熟も阻害されるので、それを補償するためにRP58欠損皮質に、ニューロンに分化運命が決まった時期に発現するNeuroDのプロモータの支配下でRP58を発現するプラスミドを子宮内エレクトロポレーション法を用いてE14で導入した。予想どおり、RP58を導入された細胞は脳表面に移動し、細胞塊を形成した。 以上のことから、細胞周期を制御することにより、げっ歯類の脳から、霊長類型のニューロンを増加させた脳を形成させることの可能性が示されたと考える。例えば、RP58の発現が遅延することで、ニューロン増殖層の細胞周期離脱を阻害し、その結果OSVZが形成され、そして、その結果、多数のニューロンを生み出すことができる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] The zinc finger transcription factor RP58 negatively regulates Rnd2 for the control of neuronal migration during cerebral cortical development.2015
Author(s)
Heng, J.I., Qu, Z., Ohtaka-Maruyama, C., Okado, H., Kasai, M., Castro, D., Guillemot, F., Tan, S.S.
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Journal Title
Cereb Cortex
Volume: 25
Pages: 806-816
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Distinct pathways leading to TDP-43-induced cellular dysfunctions.2014
Author(s)
Yamashita, M., Nonaka, T., Hirai, S., Miwa, A., Okado, H., Arai, T., Hosokawa, M., Akiyama, H., Hasegawa,
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Journal Title
Hum Mol Genet.
Volume: 23
Pages: 4345-4356
DOI
Peer Reviewed
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