2013 Fiscal Year Annual Research Report
アカパンカビの特殊能力を利用した染色体適応機構の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Systematic study of chromosome adaptation |
Project/Area Number |
25125710
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
本田 信治 福井大学, テニュアトラック推進本部, 助教 (90632167)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / ストレス |
Research Abstract |
当初は、子嚢胞子の熱処理によって引き起こされることが予想されるゲノム構造変化をChIP-seq、FAIRE-seqによって追跡解析を行う予定であったが、子嚢胞子はフォルムアルデヒドによる固定に対して強い耐性があることがわかったため、更なる条件検討が必要になった。一方、アカパンカビ子嚢胞子の休眠維持、熱耐性を担う遺伝子を網羅的に同定するスクリーニング法を開発し、遂行した。その結果、多数の候補遺伝子を同定し、その中から熱処理時のゲノムアダプテーションに重要な役割を担うことが予想される候補遺伝子の特定に成功した。 また、もう一つの研究課題である抗ゲノム変動を担うアカパンカビの特殊能力RIPを担う遺伝子のスクリーニングも上記と平行して行っており、数か月中に終了する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の最大目標であるアカパンカビ子嚢胞子の休眠維持、熱耐性を担い、ゲノムアダプテーションに重要な役割を担うことが高い候補蛋白質群の同定に成功しており、また、抗ゲノム変動を担う特殊能力RIPを担う遺伝子のスクリーニングも順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.子嚢胞子の熱による休眠解除と熱耐性の分子機構の解明 ゲノムアダプテーションに重要な役割を担うことが高い候補蛋白質が持つドメインに着目し、その機能を推測する。その証明のために、 (a) そのドメインを有する組換え蛋白質を作製し、その活性を調べる。(b) 生体内にそのドメインを欠損させた蛋白質を導入し、その活性が重要であるかを調べる。更に他の種にもそのドメインが保存されているかを調べることにより、アカパンカビがどのようにこの特殊能力を獲得したのかを推測する。 2.抗ゲノム変動を担うRIPの分子機構の解明 スクリーニングにより同定した蛋白質をタグ化、精製、質量分析により、相互作用する蛋白質を網羅的に同定する。そして得られた蛋白質相互作用マップとその複合体を構成する蛋白質が持つドメインから、それぞれの蛋白質複合体が有する機能を推測する。そして遺伝子変異に関わる候補ドメイン、重複配列を探し出す候補ドメインをin vitroの系で機能解析する。そして、これらの解析結果から、アカパンカビの機能変化の多様性を防ぐ分子機構を解き明かす。更にアカパンカビがどのようにRIPを獲得したかを、RIPに関与する蛋白質を種間で比較して推測する。
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Research Products
(1 results)