2013 Fiscal Year Annual Research Report
転写抑制因子 Bcl11bによる脂肪細胞分化・脂肪蓄積の制御機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
25126703
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 順 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (70323962)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脂肪細胞分化 |
Research Abstract |
BCL11BはT細胞の初期分化を制御する、C2H2型Znフィンガーモチーフを持つ転写因子である。Bcl11b KOマウスは生後24時間以内に死亡するが、出生直後において肩甲骨間の白色脂肪組織の顕著な萎縮が観察された。そこで本研究では、BCL11Bがマウス生体において脂肪の蓄積に関与するかを検証するとともに、脂肪細胞分化を制御する可能性について検討した。 【方法】(1)ウイルスベクターを用いて、3T3-L1細胞やMEFsにおけるBCL11Bの発現をノックダウンし、脂肪細胞分化への影響を調べた。(2)野生型およびBcl11bノックアウトマウスのMEFsを調製し、脂肪細胞分化を誘導して脂肪蓄積や脂肪細胞分化マーカーの発現を比較した。(3)野生型およびBcl11bヘテロマウスに高脂肪食を10週間与え、体重増加や脂肪の蓄積を比較した。(4)Bcl11b KOマウス由来MEFsを用いてDNAマイクロアレイを行い、Bcl11b下流遺伝子の探索を行った。 【結果】(1)BCL11Bは脂肪細胞分化過程で一過的に発現上昇した。また、ノックダウンにより分化が抑制された。(2)KOマウス由来MEFsでは脂肪細胞への分化能が低下していた。(3)高脂肪食負荷時において、ヘテロマウスは野生型と比較して低体重であり、脂肪肝の発症が抑制されていた。摂食量に変化がないことから、BCL11Bヘテロマウスではエネルギー消費が亢進している可能性が考えられる。(4)Bcl11b KOマウスではWntシグナル経路が活性化されており、本経路の活性化が脂肪細胞への分化を抑制すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画通りに実験を進めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って、研究を進めて行く。
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