2013 Fiscal Year Annual Research Report
食餌同調性概日ペースメーカーによる食欲・行動・末梢臓器機能の調節
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
25126708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三枝 理博 金沢大学, 医学系, 准教授 (20296552)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 概日時計 / 摂食 / ホルモン / グレリン / 食欲 |
Research Abstract |
本研究では、食欲・食物探索活動と食物摂取のタイミングを合わせ、限られた食餌機会を有効に利用するための第2の概日ペースメーカー「食餌同調性概日ペースメーカー」の神経基盤の解明を進めるとともに、食餌同調性概日ペースメーカーによる末梢臓器機能の調節様式を明らかにすることを目的とする。 本年度は、これまでに予備的な結果を得ていた、「脳内食餌同調性概日ペースメーカーが、胃に内在する概日時計が食餌のタイミングに速やかに同調するために重要である」との結論を、実験数を増やすことで確定した。また、脳内食餌同調性概日ペースメーカーが欠損すると、胃から分泌される空腹ホルモン・グレリンや他の摂食・エネルギー代謝関連ホルモンの、食餌の同調した産生・分泌リズムにどの様な影響が現れるか検討したが、有意な影響は観測できなかった。さらに食餌同調性概日ペースメーカーの神経基盤を明らかにする目的で、視交叉上核を除く視床下部全域、あるいは視床下部背内側核(食餌同調性概日ペースメーカーの候補領域)で概日時計周期を延長させたマウスを作製した。 食事のタイミングや睡眠時間等の生活習慣と肥満やメタボリックシンドロームとの関連について最近様々な報告がされている。本研究の成果により新たな食欲調節機構の神経・分子基盤が明らかになり、また様々な食習慣・生活スタイルにおける健康上のリスク、さらにはその効果的な対処方法の検討につながると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ研究計画の通りに、研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度より作製を始めた、視床下部全域、あるいは視床下部背内側核で概日時計周期を延長させたマウスにおける、食餌同調性概日リズムを詳細に検討する。異常が見つかれば、さらに概日時計周期を操作する脳領域を限定し、食餌同調性概日ペースメーカーの存在部位を絞り込む。
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