2013 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞特異的KOマウスを用いたアドレノメデュリンの病態生理的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
25126712
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
錦見 俊雄 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (80291946)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アドレノメデュリン / 脂肪細胞 / ノックアウトマウス / 遺伝子発現 / 血圧 / 血中濃度 |
Research Abstract |
アドレノメデュリン(以下AM)は強力な降圧活性等、循環調節並びに循環器疾患の病態に深く関与している。我々は肥満高血圧患者で脂肪の増減と比例して血中AM濃度が平行して変動する事、脂肪細胞の培養系で脂肪細胞がAMを著明に分泌している事が示してきたが、脂肪組織における生体でのAMの意義は不明であった。そこで脂肪組織における生体でのAMの意義を解明するために、脂肪細胞特異的にAMを欠損した遺伝子改変マウスの樹立をこころみ、樹立に成功した。脂肪組織でAMの遺伝子は約20%と低下していたが、他の組織の遺伝子発現はKOマウスと野生型で変化はなかった。また血中レベルのAM濃度の低下も認められたことからこの系は順調に働いていると考えられた。 KOマウスは一見、野生型と比べて表現型に差はないが、血圧を測定すると脂肪細胞特異的AM KOマウスで血圧が少し高くなる事が判明した。一方、想定していた高脂肪食負荷時の脂肪組織の増加の有無については微妙であり、AM KOマウスの方が肥満であるときと、差がないときのデーターが混在していて、もう少し数を増やして検討する必要があると考えられた。一方血圧に関しては今のところAM KOマウスで高いというデーターがコンスタントにでていて、この解析が急務と考えられた。血圧上昇の機序の1つとして、我々は神経体液性因子との相互作用を想定し、解析を進めてきた。他の研究でAMを全身でコンディショナルにKOすると、アルドステロンが高くなる。しかし脂肪細胞特異的AM KOマウスではアルドステロン、レニンに差はなかった。テレメトリーによる自由行動下の血圧の評価や、交感神経系、ナトリム利尿ペプチド系をふくめた解析を現在進めつつあるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脂肪細胞特異的AM KOマウスの解析を行ってきた。進行状況は少し遅れている。この理由としてはこのマウスの交配が予想以上に難しく、なかなか増えずnを稼げないということがあった。大学内部の組織の改変もあり、マウス飼育施設を移動させねばねばならず、その環境の変化がマウスには大きなストレスであったことも一因と思われる。それに加えて、マウスの取り扱いに長年取り組み、習熟している技術員の方が最近体調不良で仕事ができず、あてにしていた事がなされなかったのも原因の一つである。現在、研究協力者の趙ががんばってくれて解析を急ピッチですすめているが、彼も救急部の助教となり、dutyをこなす中で精一杯やっているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究結果で脂肪細胞特異的AM KOマウスの血圧が高い事が判明した。高脂肪食負荷時の脂肪組織の増加の有無については微妙であり、AM KOマウスの方が肥満であるときと、差がないときのデーターが混在していて、もう少し数を増やして検討する予定である。一方血圧に関しては今のところAM KOマウスで高いというデーターがコンスタントにでていて、この解析が急務と考えている。この1つの機序として、我々は神経体液性因子との相互作用を1つの機序として想定し、解析を勧めているところである。AMを全身でコンディショナルにKOすると、アルドステロンが高くなる。しかし脂肪細胞特異的AM KOマウスではアルドステロン、レニンに差はなかった。今年度はテレメトリーによる自由行動下の血圧の評価や、交感神経系、ナトリム利尿ペプチド系をふくめた解析を行う予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Direct immunochemiluminescent assay for proBNP and total BNP in human plasma proBNP and total BNP levels in normal and heart failure2013
Author(s)
Nishikimi T, Okamoto H, Nakamura M, Ogawa N, Horii K, Nagata K, Nakagawa Y, Kinoshita H, Yamada C, Nakao K, Minami T, Kuwabara Y, Kuwahara K, Masuda I, Kangawa K, Minamino N, Nakao K.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8
Pages: e53233(1-8)
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] O-glycosylated Pro B-type Natriuretic Peptide is Cleaved intracellularly By Furin in Ventricular Myocytes and Atrial Myocytes : Importance of the Distance Between the O-glycosylation Sites and Cleaved Sites
Author(s)
Toshio Nishikimi, Yasuaki Nakagawa, Naoto Minamino, Masashi Ikeda, Toshihiko Ishimitsu, Chinatsu Yamada, Kazuhiro Nakao, Takeya Minami, Yoshihiro Kuwabara, Hideyuki Kinoshita, Kenji Kangawa, Koichiro Kuwahara, Kazuwa Nakao
Organizer
American Heart Association Annual Meeting
Place of Presentation
Dallas, USA
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[Presentation] Molecular mechanism of lower processing rate in human proBNP: importance of the distance between the O-glycosylation and cleavage sites
Author(s)
Toshio Nishikimi, Yasuaki Nakagawa, Naoto Minamino, Masashi Ikeda, Toshihiko Ishimitsu, Chinatsu Yamada, Kazuhiro Nakao, Takeya Minami, Yoshihiro Kuwabara, Hideyuki Kinoshita, Kenji Kangawa,Koichiro Kuwahara,Kazuwa Nakao
Organizer
日本循環器学会総会
Place of Presentation
東京フォーラム、東京