2013 Fiscal Year Annual Research Report
グレリン細胞性状・機能 の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
25126713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩倉 浩 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20378615)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | グレリン / 細胞株 / 遺伝子プロファイル / 分泌調節 / 生合成 |
Research Abstract |
すでに取得済みであるMGN3-1細胞(グレリン分泌細胞株)、MIN6細胞(膵β細胞株)、αTC細胞(膵α細胞株)でのマイクロアレイデータについて、脂肪酸輸送代謝関連遺伝子、転写因子の解析を中心に行った。これまでに、我々は、膵β細胞では、グレリンおよびグレリン-O-acyltransferaseを導入しても、オクタン酸の添加なしにはアシル化グレリンの産生がほとんど起きないことを見いだし、グレリン細胞と膵β細胞との脂質代謝に差異がある可能性を報告している(坂東、岩倉ら、Am Jour of Physiol End Met 2012)。現在、MGN3-1細胞とMIN6細胞間での脂質代謝について、脂肪酸取込み、代謝等について詳細な検討を進めつつあり、見いだされた脂質代謝の差異と遺伝子発現プロファイルの差異との関連を検討している。具体的には、MGN3-1細胞を用いて、発現に差異があった遺伝子を過剰発現もしくは発現抑制することで、特にグレリンのアシル化への影響を検討している。特に、遺伝子Xについては、MIN6細胞では、MGN3-1細胞の50倍の発現差異を認めており、現在、遺伝子導入によるグレリン産生への影響を検討している。また、逆にMGN3-1細胞で発現が高い遺伝子も見いだしており、siRNAによるノックダウンの影響も検討しつつある。 また、細胞株でのデーターを確認するため、グレリン細胞の蛍光標識にも取り組み、グレリンプロモーター支配下に蛍光蛋白が発現するトランスジェニックマウスを作成している。今後、マウス胃より、セルソーターを用いてグレリン細胞の単離を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに得られた遺伝子プロファイルから、いくつかのグレリン細胞での脂質代謝に重要と思われる遺伝子を選択できており、またMGN3-1細胞とMIN6細胞との間での脂肪酸代謝の差異についてもいくつかの点で差があることを見いだしつつある。問題点として、MGN3-1細胞での遺伝子過剰発現実験、発現抑制実験を行っているが、現状では、十分な過剰発現や発現抑制が得られていないところがあり、この点は改善が必要である。 グレリン細胞の蛍光ラベルについては、トランスジェニックマウスを作成しており、セルソーターを用いた単離の準備を進めつつある。 以上から、一部実験手技上の問題点が残るが、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、問題となっているMGN3-1細胞への遺伝子導入効率が悪いという点に関しては、現在、リポフェクションに用いる試薬の変更、条件の最適化を行っている。今後、エレクトポレーションの利用、トランスポナーゼや、ウイルスベクターの利用など種々の方法による導入を検討する予定にしており、十分な導入効率が得られることを期待している。最終的には、安定した実験を行うため、トランスポナーゼシステム、あるいはレトロウイルス等を用いてstable cell lineの樹立を行う予定である。 蛍光ラベルグレリン細胞の単離については、大学に新しいセルソーターが導入されており、これを用いることで高効率に細胞単離を行えるものと考えている。
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[Journal Article] A link between FTO, ghrelin, and impaired brain food-cue responsivity.2013
Author(s)
Karra E, O'Daly OG, Choudhury AI, Yousseif A, Millership S, Neary MT, Scott WR, Chandarana K, Manning S, Hess ME, Iwakura H, Akamizu T, Millet Q, Gelegen C, Drew ME, Rahman S, Emmanuel JJ, Williams SC, Rüther UU, Brüning JC, Withers DJ, Zelaya FO, Batterham RL.
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Journal Title
J Clin Invest.
Volume: 123
Pages: 3539-51
DOI
Peer Reviewed
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