2014 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロメジンU関連ペプチドの脳内報酬系に関わる食欲制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
25126714
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
花田 礼子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00343707)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経ペプチド / 脳内報酬系 / ドーパミン系 / セロトニン系 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、エネルギー恒常性調節機構に加え「脳内報酬系」も摂食行動の調節に重要である事が報告されている。本研究ではニューロメジンU関連ペプチド(ニューロメジンU;NMU、ニューロメジンS;NMS)の新たな生理機能を「脳内報酬系」に焦点を当てて追究を行なった。まず、野生型C57BL/6J雄マウスの側脳室内にNMUを投与後2時間における視床下部のモノアミン動態(カテコールアミン系、セロトニン系)ならびにアミノ酸動態(抑制系、興奮系)の解析では、NMU投与群においては、生理食塩水投与群に比べて視床下部ドーパミン代謝回転 (DOPAC/DA)が有意に亢進しており、視床下部セロトニン経路に関してはその代謝産物である5-HIAAレベルが有意に増加している事が判明した。次にNMU遺伝子欠損マウスを用いて、コカイン投与による嗜好性ならびにコカイン投与時の脳内側坐核におけるドーパミンならびにセロトニンの動態をマイクロダイアライシス法を用いて解析したところ、NMU欠損マウスでは、コントロールマウスに比べてコカインに対する嗜好性が高い傾向があるものの有意差は認めず、コカイン投与時の側坐核におけるドーパミン濃度も低い傾向があるものの有意差は認めず、セロトニン動態に関しても有意差は認めなかった。つまり、野生型マウスへのNMU脳室内投与により視床下部におけるモノアミン動態の変動の知見が得られた一方で、NMU遺伝子欠損マウスにおけるコカイン投与による依存症モデルを用いた解析では脳内報酬系への有意な表現型は確認できなかった。 以上の結果から、現在、NMUならびにNMS両遺伝子欠損マウスを作製し、これらのマウスを用いてコカイン投与による依存症モデルでの行動解析ならびにモノアミン動態、特にドーパミン系、セロトニン系に着目して解析を行っている。さらに併行して、脳内におけるNMU関連ペプチドの新たな生理機能に関して他の脳高次機能を含む多方面から解析を進めているところである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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