2013 Fiscal Year Annual Research Report
食欲・脂肪代謝調節に関係する新規生理活性ペプチドの探索
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
25126720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
井田 隆徳 宮崎大学, IR推進機構, 助教 (00381088)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生理活性ペプチド / オーファンGPCR |
Research Abstract |
本研究の目的は、食欲調節・脂肪代謝制御に関与しているGタンパク質共役型受容体に対して、存在するべきリガンドが未だ発見に至っていない受容体を選択し、その受容体に対する新しいリガンドを探索することである。特に、ある決まった時期、部位にしか発現していないために発見されていないホ乳類新規生理活性ペプチドを発見する。そのために、ターゲットとなる受容体を選択し、その受容体を細胞に発現させた系を使ったアッセイ系を構築していった。また、アッセイの材料として入手困難な臓器のサンプリングを行い、新規生理活性ペプチドの同定を目指した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
受容体ノックアウトマウスで、摂食・脂肪代謝異常を示すGPR21, GPR26, GPR82, BRS-3など、またリガンドがペプチド性と想定される受容体を優先的に選択し、それら受容体の安定発現CHO細胞株を50種類樹立した。ウシから骨髄約900g、舌1kg、妊娠子宮1.8kg、ブタから脊髄20kg、ヒトから胎盤50kg、甲状腺100gなどをサンプリングし、ペプチド抽出を行った。さらにペプチド抽出物を強塩基性画分と弱塩基性画分にわけ、それぞれをゲル濾過にて展開し、その一部を上記で作成した受容体安定発現細胞株に対する細胞名カルシウム、cAMPの変動を指標とするアッセイに用いた。
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Strategy for Future Research Activity |
①オーファン受容体ヘテロダイマー系発現細胞を使ったアッセイ系の構築 昨年度、構築した50種類のオーファン受容体安定発現細胞系において、組織からのペプチド抽出物を用いて、細胞内カルシウム、cAMPの変動を指標とするアッセイを行った。しかし今のところ有用な活性は得られていない。最近、受容体が単独ではなく異なる受容体とヘテロダイマーを形成することによって初めて活性を示すという報告がある。そこで受容体の遺伝子組換えマウスにおいて、脂肪代謝や成長に変化のある受容体を優先的に洗濯し、さらに同じ組織に発現している受容体通しのヘテロダイマー安定発現細胞系を構築する。既に作成した受容体安定発現細胞系に異なる受容体をトランスフェクションする際、異なる薬剤耐性マーカーを用い、選別を行う。 ②入手困難臓器のサンプリング 昨年度、ウシ、ブタなどから脊髄、骨髄、舌、妊娠子宮などを大量にサンプリングしペプチド抽出を行った。それらペプチド抽出物を用いて①で作成した系でアッセイを行う。またさらにニワトリから膵臓、脾臓、ファブリキウス嚢など、マウス、ラット、大動物からは入手困難な臓器をサンプリングし、同様にアッセイに用いる。 ③新規生理活性ペプチドの同定、機能解析 ①②を用いて活性を検出できれば、その活性区分を様々なクロマトグラフィーにより展開し、ペプチドの構造を決定する。決定したペプチドについて生化学的性状を明らかにすると共にラット、マウスを用いて生理実験を行い、その機能を解明する。
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Research Products
(4 results)