2013 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部弓状核ニューロンのDNAメチル化を介した摂食・代謝調節と肥満
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
25126724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
河野 大輔 群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 助教 (10382904)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肥満 / 視床下部 / 弓状核 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
近年、肥満は世界的に増加しており、環境因子が関与していると考えられている。DNAメチル化は後天的な遺伝子調節機構であり、環境因子による肥満発症の分子機構を担っている可能性がある。DNAメチル化のパターンは一般的に発生期や発達期などのより若い時期に活発に作られることが知られている。一方で視床下部摂食代謝中枢におけるDNAメチル化修飾がどの時期に作られ、そして、如何なる生理的役割を持つかは明らかではない。そこで現在、DNAメチル化に関係する酵素や分子の視床下部摂食代謝中枢における発現を週齢ごとに調べている。以下、現在までの結果である。 免疫組織化学による検討により、de novo DNAメチル化酵素であるDNMT3aの視床下部における発現は、生後1週齢のマウスにおいては、広範囲に豊富に観察された。一方で2~3週齢のマウスにおいては、DNMT3aの発現は視床下部では弓状核を中心とした領域に限局して強い発現が観察された。さらに脱メチル化に関与する5-ハイドロキシメチルシトシンやTET1、TET2についても免疫組織化学を用いて検討したところ、成体マウスの視床下部弓状核において、これらが豊富に存在することが明らかになった。 これらのことから視床下部弓状核においてDNAメチル化の修飾が2~3週齢においても活発に作られている可能性が考えられる。また、成体マウスの視床下部弓状核において5-ハイドロキシメチルシトシンやTET1、TET2が豊富に発現していることから、メチル化修飾パターンの変化が生体においても弓状核では起こっている可能性がある。これらの可能性を証明するために、さらなる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的を達成するための実験が、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の目的を達成するために、現在得られた結果から示唆された可能性を、よりはっきりと証明したい。
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