2013 Fiscal Year Annual Research Report
カイメンの秩序立った骨片骨格形成を可能にしているメカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
25127706
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
船山 典子 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30276175)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 骨格形成 / イメージング / カイメン / 骨片 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の3つのプロジェクトは全て挑戦的なプロジェクトであり、今年度は精力的に独自の装置・手法の開発を行ったが、どれも予想以上に困難で成功に至らなかった。しかし、実際に試みてみて初めて分かる問題点とその改良へのヒントは多く得る事が出来、H26年度に新たな装置・手法で目的の解析を行う方向性が見えてきた。各プロジェクトの大まかな結果は以下の通りである。 <プロジェクト1:骨片が刺さった後立てられる過程へのカイメンの外側上皮の関与> 外側上皮の蛍光ラベル法の開発として蛍光ビーズを外側上皮細胞表面に化学的に結合することを試みたが、安定した蛍光ラベルの技術的な難しさに加え、倒立顕微鏡での観察が難しいことが判明した。新たな外側上皮ラベル法の開発を来年度試みる。 <プロジェクト2:骨片を立てる機構と体内空間の相互作用を工学的アプローチで探る> 磁気ビーズを外側上皮に結合させ外側上皮を引き上げる試みも上記同様、同様にラベル法が技術的に困難であった。立った骨片の間を広げる実験系確立を目指し、カイメンを薄い自作のPDMS膜上に成長させ、PDMS膜を引っ張る実験を共同研究で行ったが、カイメンの体へのダメージが大きく、データを取る事が出来なかった。 <プロジェクト3:立った骨片を人工的に揺らし、骨片骨格形成への影響を解析する> 様々な固さのアクリルアミドゲル上でカイメンを生育させたが、柔らかく立った骨片の固定が不安定でろう基質には、カイメン自体の固着が弱く、個体が基質から外れて浮遊し解析出来なかった。 立った骨片を人工的に揺らす目的で微小な水流を当てる装置を独自に工夫したが、微小水流では骨片が揺れない事が判明した。骨片が非常に細い(幅約7μm)為と考えられ、微細な棒の様なもので動かす装置の開発を次年度には試みる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内外に類を見ない独自の研究であり、プロジェクトは全て挑戦的なものであるため、全て試行錯誤が必要であることは想定内であり、この中のいずれかの実験系が確立出来ればその方向で解析を進めようと考えていた。H25年度内に確立できた実験系が無いのは、予想以上に計画した実験系に技術的な困難があったためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
プロジェクト1の上皮組織の可視化については、DiI溶液を用いる。すでに染色可能であることは分かっているが、側面からの撮影のためには、カイメンの体全体を染色してしまうと重なりによりデータが取れないため、体の一部をDiIで染色する方法を工夫することで問題を解決する予定である。プロジェクト2については一端保留し、H26年度に新たな実験系のアイディアが得られれば試みる。プロジェクト3の立った骨片を揺らす装置の確立については、棒の様なもので押して揺らす装置の工夫を試みる。
|
Research Products
(2 results)