2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管網を作る - 内皮細胞の自己組織化現象の実験と理論による解明
Publicly Offered Research
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
25127708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 岳 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10324617)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血管形成 / VEGF / 拡散 / 数理モデル |
Research Abstract |
本年度は、血管新生のin vitroのモデルとして、マイクロデバイス内での流路の作製に関する実験を行った.HUVECをFibrin gel内に混合し、マイクロデバイス内でHuman Lung fibroblastと培養すると、細胞同士が突起を延ばして結合し、結果として流路構造が形成される.これによって還流可能な毛細血管網を自己組織化的に形成することが可能となる.この構造は、これまでのマトリゲル表面で作られるメッシュワーク構造と異なり、細胞周辺の細胞外基質の変形がほとんどない.また、細胞近辺でのVEGF吸着も観察できず、これまで考えられて来たパターン形成のメカニズムと異なる可能性がある.我々は、この実験系のパターン形成を再現し、かつ還流後の流路機能の再現も行うため、これまでとは異なるミニマムな枠組みでの数理モデルを定式化した.現在、このモデルの有用性をDresden工科大学のAlvaro Kohn-Luqueらと検証している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、マイクロデバイスを用いた実験系がうまく機能するようになり、これまでとは違うパターン形成のメカニズムを検討できるようになった。この実験系では細胞外基質の変形もなければVEGFの吸着もなく、現在のところ実験的にどのような因子が働いているのか不明だが、逆に現象論的なモデルを定式化することが出来た.これらは、当初の計画とは予想しなかった方向への発展と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
現在、自己組織化された流路系で、液の流れがどのように形態形成に影響を及ぼすのかを探索する予定である.血流によって、毛細血管の単なる網目構造が動静脈を含む複雑な血管網にリモデリングされる過程に関しては古くから研究がなされて来た.我々はこのデバイスに継続的に培地を還流することで、この過程をin vitroで再現および検証する予定である.
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Research Products
(2 results)