2013 Fiscal Year Annual Research Report
生物の階層構造における細胞の社会的ふるまいを利用した大きさと形の決定ロジック
Publicly Offered Research
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
25127711
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
別所 康全 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (70261253)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | システム生物学 / 形態形成 / 体節形成 / フィードバック制御 / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
多細胞生物のからだは、遺伝子(ゲノム)/代謝/細胞/組織/個体といった階層構造を持つ。生物の形づくりでは、個々の細胞はローカルな細胞外情報をもとに遺伝子・代謝ネットワークにしたがって自らのふるまい(増殖、分化、運動など)を制御し、細胞相互の作用によって組織、個体レベルで適切な大きさと形に形成される。したがって、生物の形づくりには細胞が相互に情報交換を行い細胞社会のレベルで大きさと形を感知するしくみと、その情報を細胞内の遺伝子・代謝ネットワークにフィードバックするしくみが必要である。本研究では、細胞の社会的ふるまいと階層を超えたフィードバック制御に着目し、組織・器官の大きさと形の決定ロジックを明らかにする。 マウスおよびゼブラフィッシュの体節形成とゼブラフィッシュのクッペル胞 (KV)形成をモデルとして、組織・器官が適切な大きさと形に形成されるしくみを明らかにする。体節形成では、体節分節化を周期的におこす機能が失われているHes7ノックアウトマウスを用い、体節の大きさや数を計測することを試みている。また20個程度のdorsal forerunner cells (DFC)が細胞内でFGFシグナル依存的にカドヘリンを発現し、集合することによって100個程度の細胞から成るKVが形成されることが知られているが、レーザーでDFCを除去あるいはNodalの強制発現によってDFCの数を増やすことにより、KVを構成する細胞数、KVの大きさ、機能を調べて、数理モデルを構築するなどして、大きさとかたちが決められるロジックを明らかにすることを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体節形成の解析、クッペル胞の形成の解析共に順調に進行しているのでおおむね順調に進展していると考えている。レーザーアブレーション、ライブイメージングなど技術的な問題は特にない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き解析を進める。
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Research Products
(4 results)