2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間相互作用の解明に向けたマイクロ流体プローブ集積型アッセイツールの構築
Publicly Offered Research
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
25127716
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
木村 啓志 東海大学, 工学部, 講師 (40533625)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロ流体デバイス / マイクロ流体プローブ / 細胞アッセイ |
Research Abstract |
本研究では、細胞集団の秩序形成ロジックの解明に向けた新規のツールとして、細胞集団の微小部位に対して局所的な液性刺激が可能なマイクロ流体プローブを搭載し、細胞間相互作用に伴う挙動を逐次的に観察可能な細胞アッセイシステムの構築を目的としている。 今年度は、本システムの基盤部分となるマイクロ流体プローブ集積型のマイクロ流体デバイスを開発した。1個~数個単位の細胞に対する液性刺激を実現するために、数ミクロンオーダーの高空間分解能を持つマイクロ流体プローブの実現を目指して、有限要素法を用いた流体シミュレーションにより、プローブ流路のサイズや液体注入量や吸引量などの最適化検証を行った。このシミュレーションの結果を基に、実際にマイクロ流体プローブ集積型のマイクロ流体デバイスを設計し、作製を行った。このデバイスは、微細構造の形成が容易で、なおかつ酸素透過性・光学特性が良く細胞の培養・観察に適したシリコーンゴムの一種であるPDMS(ポリジメチルシロキサン)とガラス板を貼り合わせて構成した。本デバイスでは微量かつ高精度な流体制御が必要となるため、高分解能ステッピングモータを有するマイクロシリンジポンプも企業と共同開発し、システム化に向けた制御系も同時に確立した。開発したデバイスの流体力学的な機能評価は、蛍光色素溶液を利用した計測実験により実施した。本実験によって得られた実験結果と流体シミュレーションの結果を比較したところ、これらの結果が一致しており、マイクロ流路内の液性因子制御手法の最適化検討に流体シミュレーションが有効であることを示した。さらに、デバイス内で培養した細胞への液性刺激を想定した蛍光染色試験も実施し、単一細胞レベルでの液性刺激が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定外の大きな問題もなく、研究計画の内容に準じて、研究を実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に開発したデバイスを共焦点顕微鏡システムに集積化すると共に、カルシウム刺激応答性能を持った細胞株やマウスiPS 細胞(人工多能性幹細胞)を用いた部位局所的な液性刺激実験及び細胞応答の伝搬現象の観察実験を行う。この実験で得られた細胞集団の挙動の様子から数理モデルを構築し、多能性幹細胞の発生秩序のロジック解明に迫る。
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Research Products
(6 results)