2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハマウツボ科寄生植物の寄生形質獲得と適応進化
Publicly Offered Research
Project Area | Genetic bases for the evolution of complex adaptive traits |
Project/Area Number |
25128716
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 聡子 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (20450421)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 寄生植物 / 次世代シーケンサー / ゲノム / トランスクリプトーム / コシオガマ / ストライガ |
Research Abstract |
ハマウツボ科寄生植物は、吸器と呼ばれる宿主への侵入器官を発達させ、宿主から栄養を奪って生育する特殊な生存戦略を獲得している。ハマウツボ科には条件的寄生植物と絶対寄生植物があり、その進化の過程で種子サイズや光合成能の退化などの複数形質の適応進化が生じている。本研究では、条件的寄生植物コシオガマにおける寄生過程で特異的発現を示す遺伝子の機能解析により寄生の鍵遺伝子を同定し、コシオガマおよび絶対寄生植物ストライガの比較ゲノム解析により寄生形質の複合適応形質進化の過程を解明することを目的とする。 1.コシオガマにおいて寄生時に特異的に発現する遺伝子の機能解析 前年度までの成果としてトランスクリプトームにより寄生時に特異的に発現上昇する遺伝子リストを得ている。中でも、宿主との相互作用で特異的に発現するプロテアーゼをコードする遺伝子群に着目し、コシオガマおよびストライガから全長cDNA配列とゲノム配列をPCRにより増幅、シーケンス配列決定した。プロモーター領域を単離し、GUSまたはGFPレポーター遺伝子上流にクローニングしたコンストラクトを作成し、Agrobacterium rhizogenesを用いた毛状根形質転換法によりコシオガマ根に導入し、発現部位の特定を試みた。 2. コシオガマゲノム解読 コシオガマのゲノム解読を進めた。自家受粉を繰り返した純系統からゲノムDNAを抽出し、短いインサートサイズ(180 bp)のフラグメントライブラリと様々な長さ(500 bp, 3 kbp, 5kbp, 10kbp, 20kbp)のインサートサイズによるジャンプライブラリをを作成し、illumina HiSeq2000による解析をおこなった。また、PacBioシーケンサーにより8倍深度程度のロングリードシーケンスを解析し、アセンブリに加えることを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、産前・産後休暇のため一時中断するが、既に目標としていた遺伝子の配列決定やゲノムシーケンスを終えており、順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、トランスクリプトームで得られた遺伝子の機能解析をすすめる。トランスクリプトームの結果から、植物ホルモンの関与が示唆されたので、それについても機能解析を進める予定である。またゲノムのアセンブリを完成させる。
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