2013 Fiscal Year Annual Research Report
白血病幹細胞における新規治療標的としての長鎖非蛋白コードRNAの同定と機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Development of Novel Treatment Strategies Targeting Cancer Stem Cells |
Project/Area Number |
25130702
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩間 厚志 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70244126)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非蛋白コードRNA / MLL-AF9 |
Research Abstract |
ポリコーム複合体の標的遺伝子へのリクルートは、ポリコーム蛋白と結合するlong non-coding RNA (ncRNA)による経路が近年注目を集めている。このことから我々は、MLL-AF9により直接発現が誘導され、且つポリコーム複合体の白血病特異的標的遺伝子群へのリクルートに関わるlong ncRNAの探索を行った。ヒトCD34+造血幹細胞に3xFlag-MLL-AF9ウイルスを感染させ形質転換させた後、MLL-AF9とH3K4me3のChIP-sequence解析を行った。得られたマッピングデータからBroad InstituteのHuman long ncRNA catalogに基づいてタグを抽出することで、MLL-AF9により直接制御されるlong ncRNAのリストアップを行った。次に、ヒトCD34+造血幹細胞とその形質転換細胞のマイクロアレイ解析、および正常核型とMLL-AF4、MLL-AF9染色体転座を有する白血病患者検体を用いたマイクロアレイ解析を行った。同時に、形質転換細胞よりRNA-sequence解析を行い、合わせてMLL-AF9により発現誘導される標的long ncRNAの同定を試みた。それぞれの解析から共通するものを抽出することで、最終的に十数個の標的候補long ncRNAが得られた。現在これらの候補遺伝子の機能解析を進めつつあり、その成果として、がん遺伝子産物からポリコーム複合体制御につながる新規の転写制御ネットワークが明らかになることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
重要性が確認されたlincRNAのノックダウンがうまく行かず、その白血病原性における機能をノックダウンの系を用いて評価する実験がまだ終了していない。現在ノックダウンの系を改良して試みている。. 白血病幹細胞でノックダウンした際の遺伝子発現プロファイルの変化を, マイクロアレイ
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、候補lincRNAの白血病幹細胞の特性維持における機能を, ノックダウンと強制発現解析により検証するとともに, lincRNAによる白血病幹細胞における遺伝子発現制御機構の検証を通して明らかにしていきたい. 具体的には以下の解析を予定している. 1. 白血病幹細胞特異的lincRNA機能の検証: MLL-AF9によって直接転写が活性化されるlincRNAの中で白血病幹細胞特異的な発現パターンを持つと判断されたlincRNAについて, その白血病原性における機能をノックダウンの系を用いて評価する. MLL-AF9で形質転換したヒトCD34陽性造血前駆細胞を用い, in vitroのreplating assayとともに免疫不全マウスへの移植によるin vivoでの白血病発症活性を検証する. また, 同様の系を用いて強制発現の効果を評価する. 2. lincRNAによる白血病幹細胞特異的遺伝子発現制御機能の検証: 重要性が確認されたlincRNAを, 白血病幹細胞でノックダウンした際の遺伝子発現プロファイルの変化を, マイクロアレイで解析し, それぞれのlincRNAが白血病幹細胞の維持において, どのようなセットの遺伝子群の発現制御を行っているのか, またどのようなクロマチン制御分子の機能を制御するのかについて明らかにする. 3. lincRNAが制御するクロマチン制御分子の同定: 重要性の示されたlincRNAをベイトとして, MLL-AF9で形質転換したヒトCD34+造血前駆細胞における会合分子を精製し, 質量分析によって同定する. この解析により, 白血病幹細胞成立の過程において, MLL-AF9癌遺伝子がlincRNAの発現誘導を介してどのような転写機構を駆動し標的遺伝子の発現を調節するのかを理解する.
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Disulfiram Eradicates Tuor-Initiating Hepatocellular Carcinoma Cells in ROS-p38 MAPK Pathway-Dependent and -Independent Manners.2014
Author(s)
Chiba T, Suzuki E, Yuki K, Zen Y, Oshima M, Miyagi S, Saraya A, Koide S, Motoyama T, Ogasawara S, Ooka Y, Tawada A, Nakatsura T, Hayashi T, Yamashita T, Kaneko S, Miyazaki M, Iwama A, Yokosuka O,
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e84807
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Concurrent loss of Ezh2 and Tet2 cooperates in the pathogenesis of myelodysplastic disorders.2013
Author(s)
Muto T*, Sashida G*, Oshima M*, Wendt GR, Mochizuki-Kashio M, Nagata Y, Sanada M, Miyagi S, Saraya A, Kamio A, Nagae G, Nakaseko C, Yokote K, Shimoda K, Koseki H, Suzuki Y, Sugano S, Aburatani H, Ogawa S, and Iwama A.
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Journal Title
J Exp Med
Volume: 210
Pages: 2627-2639
DOI
Peer Reviewed
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