2013 Fiscal Year Annual Research Report
Rad18によるヒストンH2Aのユビキチン化修飾を介した細胞周期制御機構
Publicly Offered Research
Project Area | Coupling of replication, repair and transcription, and their common mechanism of chromatin remodeling |
Project/Area Number |
25131715
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
立石 智 熊本大学, 発生医学研究所, 講師 (00227109)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2015-03-31
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Keywords | Rad18 / ヒストン / ユビキチン / 転写 |
Outline of Annual Research Achievements |
Rad18はRad6と結合してPCNAをモノユビキチン化するユビキチンライゲースであり、損傷乗越え複製を制御する。Rad18はPCNA以外のタンパクをユビキチン化している可能性がある。Rad18はヒストンH2A と相互作用する。Rad18がヒストンタンパクをユビキチン化してエピジェネティクな遺伝子制御をしている可能性をさぐるため、in vitroでRad18タンパクがヒストンタンパクを修飾するか試験した。その結果、Rad18タンパクはヒストンH2Aのユビキチンライゲース(E3)であることがわかった(未発表データ)。野生型細胞に放射線を照射すると、DNA切断領域のクロマチンのヒストンH2Aがユビキチン化修飾されることが報告されている。DNA損傷に応答して、Rad18がヒストンH2Aのユビキチン化修飾を行っている可能性がある。これを検証するため、マウス繊維芽細(MEF)に放射線を照射し、培養後にユビキチン化ヒストンH2Aの分布を観察した。その結果、野生型MEFに比べて、Rad18欠損マウス由来MEFではユビキチン化ヒストンH2A のフォーサイ数が減少していた。このため、放射線の照射により形成されるDNA切断に応答して、Rad18が少なくとも一部のヒストンH2Aをユビキチン化すると思われる。次にヒトRad18の発現が、特定の遺伝子の転写活性に影響を与えているか検証した。その結果、ヒトRad18遺伝子の有無、またはDNA損傷の有無により、特定の遺伝子の転写が増加または減少している例がみられた。このため、Rad18がヒストンをユビキチン化することを介して、特定の遺伝子の発現を調節している可能性が高いと結論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Rad18タンパクはヒストンH2Aのユビキチンライゲース(E3)であることを明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Rad18の生体内での役割を明らかにするため、Rad18欠損マウスを作成した。Rad18欠損マウスでは発がんの傾向は見られなかった。しかしChk2・Rad18欠損マウスは自然発がん率・UV照射による皮膚がん形成率ともに増加していた。Rad18はこれまでの研究により、ヒストンを修飾する活性があることが明らかになり、それが転写に与える影響を調べることにより、それが発がん防御でどのような役割を果たしているのか明らかにしてゆく。それと同時にChk2が発がん防御で果たしている役割についても調べてゆく方針である。
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[Journal Article] Two replication fork maintenance pathways fuse inverted repeats to rearrange chromosomes.2013
Author(s)
Hu, L., Kim, T. M., Son, M. Y., Kim, S. A., Holland, C. L., Tateishi, S., Kim, D. H., Yew, P. R., Montagna, C., Dumitrache, L. C., Hasty, P.
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Journal Title
Nature
Volume: 501
Pages: 569-572
DOI
Peer Reviewed
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