2013 Fiscal Year Annual Research Report
修復と複製時に機能するCul4-DDB1-Cdt2によるゲノム維持機構
Publicly Offered Research
Project Area | Coupling of replication, repair and transcription, and their common mechanism of chromatin remodeling |
Project/Area Number |
25131718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
西谷 秀男 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 教授 (40253455)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ゲノム / 癌 / 複製 / 修復 / タンパク質分解 |
Research Abstract |
本研究では、染色体複製のライセンス化において必須な因子Cdt1が、PCNAとの結合に依存してS期およびDNA損傷時にユビキチンリガーゼCul4-DDB1-Cdt2により分解される機構を明らかにすることにより、ゲノムの安定な維持機構の解明を目指して研究を行った。 1)M期にUV損傷を受けた細胞がG1期に進行するとライセンス化が抑制される。この時のG1期停止機構を調べるため、CDK2の制御に関わるY15, T160のリン酸化レベルの解析を行なったが、コントロールとの大きな違いは見られレズ、別の機構でCDKの活性化が抑制されると予想された。 2)Cdt2の機能を明らかにするため、Cdt2のPCNA結合部位であるPIP-ボックスに変異を導入したPIP-変異Cdt2を作製し、安定発現株を構築した。内在性Cdt2をノックダウンし、UV照射後のCdt1のユビキチン化レベルを、野生型Cdt2発現細胞と比較したところ、かなり低下していることが明らかとなった。 3)3種のPCNAローダー複合体の大サブユニットRFC1、Ctf18およびElg1を解析する過程で、Elg1ノックダウン細胞では、クロマチン上のPCNAが異常に増加していることを見いだした。これまで不明だった、PCNAのクロマチンからの脱着(アンローディング)の役割を持つと考えられた。Elgiノックダウン細胞ではクロマチンの異常が検出されたので、Cdt1の分解制御も影響を受ける可能性があると予想された。 4)UV照射後、XPA欠損細胞でも遅れてCdt1分解されることに注目して解析を進め、ミスマッチ修復因子がUV損傷部位に集積しCdt1の分解に関わることを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cdt2に見つかったモチーフの解析により、ユビキチン化を行なうために、Cdt2のPIP―ボックスの必要性をさらに確実なものとして明らかにすることができた。また、UV損傷後のNER系による修復に加えてミスマッチ修復系がCdt1分解系にも関与することを示すことができた。3種のPCNAローダーの機能分担に関しての解析が当初の計画であるPCNAの修飾に及ぼす影響を細かく解析はできなかったが、新たにElg1がPCNAのアンローディングに関わるという重要な発見ができたので、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
多方面の修復系に依存してCRL4-Cdt2によりCdt1分解が起こることが考えられたので、Cdt1分解と各種DNA損傷修復の関係を明らかにする必要が有る。また、この分解系はクロマチン結合PCNAに依存しているので、PCNAローディングの点からだけでなく、アンローディングの観点からも研究を進めて行く。
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Research Products
(5 results)