2013 Fiscal Year Annual Research Report
マウス全転写因子の発現解析をもとにした性差構築の分子機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular mechanisms for establishment of sex differences. |
Project/Area Number |
25132713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
高田 修治 独立行政法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (20382856)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 性分化 / 性差 / 精巣 / 卵巣 / マウス |
Research Abstract |
性差構築の分子レベルの理解には、雌雄生殖腺での転写因子群の発現カスケードの理解が不可欠である。申請者はこれまでにマウスのほぼすべての転写因子・転写コファクターの生殖腺分化初期での発現をWhole-mount in situ hybridisation法により解析し、雌雄で発現に差のある遺伝子を多数同定している。これらを基に転写ネットワークを明らかにし、雌雄生殖腺形成の転写ネットワークの概要を描くことを目標としている。今年度は雌で発現の高い20の転写因子について、お互いの発現調節、それぞれの発現調節解析を行った。これらの遺伝子について、発現ベクター作製(18について作製済み)とゲノム上の転写開始点上流7.5 kbをルシフェラーゼのプロモーターとして組み込んだベクターを作製した(18について作製済み)。ルシフェラーゼに組み込んだベクターの中で6つは、それぞれの発現調節を解析するために883の転写因子候補発現ベクターからなるハイスループットルシフェラーゼアッセイを行った。また、雌で発現の高い20の転写因子のノックアウトマウスの生殖腺での表現型を観察するためにノックアウトマウス(KO)の作製を計画している。そのために今年度はゲノム編集技術によりTALEN、CRISPR/Cas9を用いて迅速にKOマウスを作製する系を改良した。雌で発現の高い20の転写因子の内すでに2つについてKOマウスの作製を開始している。来年度順次すべてについてノックアウトマウスの作製と表現型の観察を行う予定である。さらに、生殖腺内の各細胞種での転写ネットワーク解明のため、モデルとなる培養系が必要である。そのため、今年度は胎仔期支持細胞でネオマイシンを発現するトランスジェニックマウスを作製した。ホルモン産生細胞については来年度作製予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発現ベクターの構築、ルシフェラーゼベクターの構築、ノックアウトマウス、トランスジェニックマウスの作製、いずれも順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は雌で発現の高い20の転写因子について、残りの4つの発現ベクターとルシフェラーゼベクターを作製し、お互いの発現調節、それぞれの発現調節解析を行う。ノックアウトマウスについてはCRISPR/Cas9により順次作製し、興味深い表現型を示した遺伝子についてはTALENによるノックアウトマウスの作製により表現型を確定する。生殖腺内の各細胞種の培養系を作製するためにホルモン産生細胞特異的にネオマイシンを発現するトランスジェニックマウスの作製を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Production of Sry knockout mouse using TALEN via oocyte injection.2013
Author(s)
Kato T, Miyata K, Sonobe M, Yamashita S, Tamano M, Miura K, Kanai Y, Miyamoto S, Sakuma T, Yamamoto T, Inui M, Kikusui T, Asahara H, Takada S.
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Journal Title
Scientific reports
Volume: 3
Pages: 3136
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Targeted gene deletion of miRNAs in mice by TALEN system.2013
Author(s)
Takada S, Sato T, Ito Y, Yamashita S, Kato T, Kawasumi M, Kanai-Azuma M, Igarashi A, Kato T, Tamano M, Asahara H.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8
Pages: e76004
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] TALEN技術を用いたSry KOマウスの作出
Author(s)
加藤朋子, 宮田康平, 園部未来, 山下聡, 玉野萌恵, 宮本新吾, 佐久間哲史, 山本卓, 乾雅史, 菊水健史, 浅原弘嗣, 高田修治
Organizer
第36回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
神戸ポートアイランド(兵庫県)
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