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2013 Fiscal Year Annual Research Report

がん細胞システムへの影響解明のための高次元統計的モデリング手法の開発

Publicly Offered Research

Project AreaIntegrative Systems Understanding of Cancer for Advanced Diagnosis, Therapy and Prevention
Project/Area Number 25134713
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)

Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

松井 秀俊  九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 助教 (90633305)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords多変量解析 / 高次元データ / 非線形モデリング
Research Abstract

観測された高次元データに対して,有用な情報を抽出するための統計モデルを適用した.本研究では,申請時の内容とは異なるが,共同研究者が取得した,DNAのメチル化や,代謝産物に関するデータの解析を行った.
DNAメチル化に関するデータの解析については,染色体の位置に応じたメチル化の度合を,位置(遺伝子座)の関数とみなし,非線形回帰モデルに基づく曲線の当てはめを行った.計測されたデータは位置に応じて大きく変動しており,このデータから直接考察をすることは困難であったが,滑らかな曲線を当てはめることで有用な情報を浮かび上がらせることができた.この当てはめを治療群と対照群両方のデータに対して行い,特に注目すべき遺伝子において二群間でメチル化の度合いに差があるかを調べた.そのうちのいくつかの遺伝子に対して,メチル化の度合いに差があるものが検出された.代謝産物のデータについては,複数種類の実験に対する様々な代謝産物の増減を示したデータに対して主成分分析を適用し,各実験に対して各代謝産物量がどのように変動するかを調べた.代謝産物は非常に多くの種類があるためやはり直接考察を得ることは難しいが,主成分分析を適用することで視覚的にデータの傾向を知ることができた.
また,本研究の目的である,生命活動のシステムを同定する上で非常に重要となるオミックス間解析,特にDNAメチル化と遺伝子発現間,遺伝子発現と代謝産物の生成間の関係を表す統計モデルの候補を作成した.その内容について,8月に開催された報告会にて報告した結果,提示したモデルは妥当だろうという評価を得た.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では,解析する予定のデータを作成している最中であり,共同研究者がデータを取得しそれを受け取り次第解析を行うという流れだった.当該年度はデータを受け取り次第すぐに解析し,結果を共同研究者へ送付することができた.
DNAメチル化に関するデータの解析では,観測データからは得ることができなかった有用な情報を取得できたという点で意義のあるものだったと考えられる.代謝産物データの解析についても,主成分分析を用いて,異なる薬品に対して代謝にどのような差異が出るかを浮かび上がらせることで,有効な結果を得ることができた.
本研究の目的であるオミックス間の関係を表す統計モデルの構築については,その候補を作成することはできたが,まだ実際のデータへの適用ができていないため今後十分な検討が必要であると思われる.

Strategy for Future Research Activity

DNAメチル化の度合いと,それに影響を与える遺伝子の発現量との関係を表すモデルとしては,データが時間や位置に依存して複数計測されていることから、これを位置と時間の関数として扱い、変化係数モデルの枠組みで構築する.構築した統計モデルに対しては、その推定法と,推定されたモデルが予測の観点から適切であるかどうか判定するための評価法を導出する必要がある。本研究ではこの一連のプロセスを構築し、複雑な生物学的情報を表現するモデルの確立をめざす.
同様に,転写産物(遺伝子)と代謝産物との関係を表すモデルについては,グラフィカルモデルの枠組みで構成する.そして,構築したモデルが生命活動のシステムを表すものとして適切であるかを,実際のデータに適用して当てはまっているかを検証する.

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Published: 2015-05-28  

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