2013 Fiscal Year Annual Research Report
色彩情報処理による質感の計測・解析・再現
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
25135706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堀内 隆彦 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 教授 (30272181)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 質感 / 色彩情報処理 / 分光画像処理 / 画像計測 / レンダリング / 材質識別 / 色名応答 |
Research Abstract |
【1.アクティブ照明を用いた分光動画像計測システムの構築】シーン中の移動物体の分光反射率を高速カメラで獲得するシステムを構築し,リライティングシステムへの応用 を行った.色差7~8で1fpsの精度を実現した. 【2.HDR高速カラーカメラを用いたカラー動画像計測システムの構築】産業用カメラ2台を利用した,HDR分光計測システムを構築した.従来構築したシステムと比較して,解像度および計測時間が大幅に改善した. 【3.カメラ画像からの材質識別対象の拡大】分光画像と偏光画像の空間的な変化特徴を積極的に利用することにより,金属の種類の材質識別を試みた.偏光度特徴を用いてSVM識別を行うことにより,アルミニウムを対象として,酸化などの経時変化に対しても,頑強な識別が行える見込みが得られた. 【4.質感に重要な画像処理特徴の解析】30種類の実サンプルを利用して,再現画像との比較により,質感特徴の解析を進めた.また,オノマトペを特徴量とした画像検索システムを構築しており,画像検索においてオノマトペを特徴量とすることの有用性が確認できた. 【5.質感の違いによる色名応答の解析】対象を蛍光物体に限定して,色名,モードに関して,心理物理実験を通じて解析した.さらに,「蛍光感」に関する心理物理実験を通じて,質感対比の影響を考察し,実物体と同等の蛍光感知覚が得られるレンダリングへの応用を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計測、解析、再現のそれぞれの計画に対して、取り組みを行い、一定の結果が得られた。再現の部分において、やや進行に遅れが見られるが、これは新たに質感画像検索等に取り組んだことに起因する。
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Strategy for Future Research Activity |
【1.RGB カメラを用いた材質識別システムの構築】先行研究において構築した材質識別システムでは,31 次元の分光画像と偏光画像を必要としていたため,特殊な計測装置を必要とした.予備実験により,5 次元程度の分光画像と4 次元の偏光画像で同精度の材質識別が可能である見通しを得ている.そこで,少数のカメラを用いた材質識別システムの構築を行う.各カメラには,異なる角度の偏光フィルタと異なる分光感度をもつフィルタを利用する. 【2. 蛍光感知覚の解析とレンダリングへの応用】前年度の研究において,実物体とモニタ再現では,測色的色再現を行った場合でも,異なる蛍光感知覚が得られる基礎評価データが得られた.そこで,種々の条件において実験を進め,蛍光感知覚に影響する要因を検討する.さらに,実物体と同等の蛍光感をモニタで再現するための方策を検討し,レンダリングへの応用を図る. 【3. 質感ハーモニーの解析】実社会の種々のデザインにおいて,調査のとれた色配置が計画され,カラーハーモニーとして実験が進められてきた.質感にもハーモニーが存在すると考え,実物体とモニタ再現を用いた心理物理実験により,質感ハーモニーの解析に取り組む. 【4. 質感画像検索】画像内のオブジェクトと同等の質感を与える画像検索システムを構築する.前年度までに,オノマトペを特徴空間とすることによって,それらが類似画像間の距離に反映できる見通しが得られた.今年度は,具体的に画像特徴を利用した検索システムを構築し,その有効性を検証する. 【5. 質感画像処理】質感の操作を目的としたインタラクティブな画像処理システムや,食品サンプルを対象とした質感解析も継続して研究を進める. 【6.成果発表・報告書作成】以上の研究計画の実施により得られた学術成果は,国内外の学会および論文誌に発表し,評価を仰ぐと共に年次報告書として纏める.
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