2013 Fiscal Year Annual Research Report
視覚と触覚による材質感認知メカニズムをオノマトペの音象徴性から探る
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
25135713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
坂本 真樹 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (80302826)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 質感 / 視覚 / 触覚 / オノマトペ / 音象徴 / 感性情報 / システム |
Research Abstract |
本研究では,人間の質感認知における視覚・触覚の特性を,言語(特にオノマトペ)に着目することで総合的に調べることを試みる.オノマトペ(擬音語・擬態語の総称)は,視覚(「ぴかぴか」等)・触覚(「ざらざら」等)の両方で質感を表す語として日常的に用いられている.オノマトペの重要な性質として,オノマトペを構成する音韻が対象の感覚イメージと体系的に結びつくこと(音象徴性)が知られており,本研究では,質感認知に重要な視覚・触覚の質感を表すオノマトペの音韻を調べ,音韻を指標として質感知覚における視覚・触覚の関係性を明らかにする.視覚・触覚を個別に調べて統合するのではなく,オノマトペの音象徴性に着目することで,視覚と触覚の関係性を総合的に調べる.工学的応用として,「オノマトペを入力することで,それが表すであろう材質を推奨するシステム」,「オノマトペによって材質の真贋を判定するシステム」を構築する. 25年度までに,質感を表す任意のオノマトペを入力することでそれが表す質感を定量化するシステムを実装し,評価実験も行い,高い精度で予測できることを確認し,成果発表を行った.また,質感認知における視覚・触覚のクロスモーダル性に着目し,視触覚領域におけるオノマトペ分布図を作成することで,質感を表現するオノマトペの相対的な位置関係や視覚・触覚関連性の可視化を試みた.さらに,実金属と模造金属から想起されるオノマトペの数と種類に違いがあることを実験により確認し,それぞれから得られるオノマトペを質感評価システムで解析することで,実金属と模造金属の違いが把握できることも示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
視覚と触覚の関係性を総合的に調べ,工学的応用として,「オノマトペを入力することで,それが表すであろう材質を推奨するシステム」,「オノマトペによって材質の真贋を判定するシステム」を構築する,ということが当初の研究課題の目的であるが,どちらについても順調に進展しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
構築済みの「オノマトペを入力することで,それが表すであろう材質を推奨するシステム」に,質感を表現するオノマトペの相対的な位置関係や視覚・触覚関連性の可視化した研究成果を統合することにより,システムの精緻化を行う.さらに,金属において有効性が確認された真贋判定手法が,真珠や漆などそのほかの素材についても有効であるか検証を進める.
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Research Products
(28 results)