2014 Fiscal Year Annual Research Report
スキンシップが惹起する情動の脳認知科学的メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
25135734
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
北田 亮 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 助教 (50526027)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 触覚 / 脳機能イメージング / fMRI / 認知脳科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はスキンシップの重要性を念頭に「脳はどのように触覚で素材を理解して、情動を惹起するのか」について脳認知科学的に明らかにすることである。成果は主に次の2点からなる。
(1)昨年度は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験により、側頭葉内側部など長期記憶に関わる神経基盤が素材情報の視触覚比較に関与することを明らかにした。本年度はこの成果を国内外の研究集会(Society for Neuroscience Annual Meeting・多感覚研究会・質感脳情報学研究集会「触覚サテライトミーティング」で発表し、専門誌(Neuropsychologia)に発表した。
(2)さらに本年度は他者との接触がどのように不快情報の処理を抑制するのかに関するfMRI研究を遂行した。この研究では健常被験者が、ゴムでできた偽者の手および友人の手に触れながら、不快および不快でない(中性)画像を観察し、その不快度を評定した。不快画像の条件では中性画像の条件に比べて、後頭-側頭領域にわたる視覚野が強く活動した。しかしこの活動の一部は、偽者の手の条件でのみ観察され、友人の手の条件では観察されなかった。すなわち友人の手と接触しているときは、不快刺激に対する視覚野の活動の一部が抑制されることが明らかになった。ただし不快度の評定は親友の手と偽物の手の間に違いがないことから、不快刺激の処理に本質的に不要な活動が減弱されたと解釈した。この成果は論文としてまとめ、Frontiers in Human Neuroscience誌に採択された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)