2014 Fiscal Year Annual Research Report
ストイキオメトリーの違いを考慮したKCNQ1チャネル活性化機構の光生理学的解析
Publicly Offered Research
Project Area | Establishment of Integrative Multi-level Systems Biology and its Applications |
Project/Area Number |
25136724
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
中條 浩一 生理学研究所, 分子生理研究系, 助教 (80390699)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イオンチャネル / カリウムチャネル / 電位センサー / 光生理学 / 不整脈 / QT短縮症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
心室筋などにおいて重要な役割を果たしているIKs電流は、KCNQ1チャネルとその修飾サブユニットKCNE1で担われている。本研究は、光生理学的手法を適用することにより、KCNQ1-KCNE1複合体の活性化機構を明らかにしてそのKinetic Modelを作ることが目的であった。 26年度はVoltage clamp fluorometry実験の効率を高める目的で新たに蛍光顕微鏡用LED光源を導入した。昨年度までに同定した、KCNQ1電位センサードメイン上の232番目のフェニルアラニン残基とKCNQ1ポアドメイン上の279番目のフェニルアラニン残基が、KCNE1存在下で衝突することで活性化を妨げているという仮説を検証する目的で、Voltage clamp fluorometry実験をさらにすすめたところ、これらのアミノ酸残基が電位センサーの動きにはそれほど影響を与えていないものの、電位センサーがあがってゲートが開く段階、すなわち両者のカップリングを遅くしていることが新たに明らかとなった。野生型のKCNQ1-KCNE1複合体において、電位センサーがあがってから開くまでのステップを2段階に分割するようなKinetic Modelを想定すると、KCNE1は特に電位センサーがあがってからゲートが開く第2段階を遅くしていると考えられた。 またヒトでこれまでに同定されているKCNQ1のQT短縮症候群に関わるアミノ酸変異について、同様にVoltage clamp fluorometry法を適用し、電位センサーの動きを検証した。これらの変異体では大部分の電位センサーがすでに第1段階と第2段階の中間に位置しており、KCNQ1チャネルが非常に開きやすい状態になっていることが示唆された。上記の「2段階 Kinetic Model」を考えることで、変異が疾患を引き起こす仕組みを理解する助けとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)