2015 Fiscal Year Annual Research Report
膜孔形成毒素の動的な作用機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamical ordering of biomolecular systems for creation of integrated functions |
Project/Area Number |
26102501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 良和 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 准教授 (20374225)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2016-03-31
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Keywords | 蛋白質 / 微生物 / X線 |
Outline of Annual Research Achievements |
院内感染の原因菌として知られる黄色ブドウ球菌は,様々な膜孔形成毒素を分泌し,宿主の血球細胞を破壊する.αヘモリジン(αHL)は膜孔形成毒素の一つであり,βバレル型の膜孔を形成して赤血球を破壊する.αHLは可溶性の単量体として分泌されるが,赤血球の膜上で会合してpreporeと呼ばれる中間体構造を形成した後,大きく構造変化して膜孔を形成する.膜孔形成機構の理解に向け,様々な膜孔形成毒素において,各段階の結晶構造解析が行われてきたが,αHLは膜孔へと会合しやすく,これまで,膜孔の構造のみしか決定されていなかった.そこで本研究では,過去の報告をもとに,安定な単量体およびpreporeを形成する変異体を取得し(H35A変異体およびW179A/R200A二重変異体),これら結晶構造解析によりαHLの一連の動的な構造変化を明らかにした.また,結晶構造解析の結果,Asp45-Tyr118間の水素結合,およびN末端アミノラッチ領域が機能発現に重要な役割を担う事が明らかになったため,これらの部位の変異体蛋白質を調製し,その膜孔形成活性を評価した.これらの結果に基づき,αHLの動的な膜孔形成機構を解明した.得られた成果を,Toxicon誌に報告したほか,第15回日本蛋白質科学会年会,生理学研究所 研究会「膜システムの機能的・構造的統合」,The 3rd International Life-Science Symposium,Hokkaido University / Pusan National University Joint Symposium 2016 in Busan,2015年度量子ビームサイエンスフェスタ・第7回MLFシンポジウム・第33回PFシンポジウムにて発表した.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Crystal Structure of the 3.8-MDa Respiratory Supermolecule Hemocyanin at 3.0 Å Resolution2015
Author(s)
Zuoqi Gai, Asuka Matsuno, Koji Kato, Sanae Kato, Md Rafiqul Islam Khan, Takeshi Shimizu, Takeya Yoshioka, Yuki Kato, Hideki Kishimura, Gaku Kanno, Yoshikatsu Miyabe, Tohru Terada Yoshikazu Tanaka, and Min Yao
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Journal Title
Structure
Volume: 23
Pages: 2204-2212
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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