2014 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジー変換可能な新規超分子ポリマーの合成と組織化・機能制御
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamical ordering of biomolecular systems for creation of integrated functions |
Project/Area Number |
26102512
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 十志和 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40179445)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超分子化学 / 高分子化学 / ロタキサン |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子では高分子鎖全体の形状(トポロジー)の違いによって物性が変化することが知られているが、同一の分子でこれらの構造を相互変換するものは知られていない。本研究では、ロタキサン構造を複数の高分子鎖の連結点に組み込み、その可動な連結点の特徴を活かして高分子のトポロジーが自在に変換できるユニークなシステムの創製を目指す。その結果、 (1) 本研究の鍵となる化学反応的スイッチと熱応答スイッチの2種類の刺激応答型ロタキサンスイッチを開発した。これらのロタキサンスイッチを用いれば溶液中のみならず固相中でもロタキサンスイッチが可能となることから、超分子ポリマーをバルク材料として扱うための基盤研究を確立したと言える。 (2) (1)のロタキサンスイッチを高分子鎖の可動な連結点に導入することで、高分子のトポロジーを分岐状から線状、線状から環状へと変換できる「トポロジー変換システム」を開発した。このトポロジー変換システムを種々のブロックポリマーへと応用することで、微少なロタキサン部位のスイッチが高分子のトポロジーと組織を変え、ついには表面やバルクの機能・物性をスイッチする動的秩序形成システムの開発が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の鍵となる高分子のトポロジーを分岐状から線状、線状から環状へと変換できる「トポロジー変換システム」を構築したため。現時点では同一成分から成るロタキサン連結高分子のトポロジー変換のみであるが、異性分からなるブロックコポリマーのトポロジー変換へと展開することは既存の高分子合成技術と組み合わせることにより容易となる。以上を踏まえ、研究目標である表面やバルクの機能・物性をスイッチする動的秩序形成システムの構築に大きく前進した。
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Strategy for Future Research Activity |
高分子のトポロジーを分岐状から線状、線状から環状へと変換できる「トポロジー変換システム」を異性分からなるブロックコポリマーのトポロジー変換へと展開する。さらに異性分からなるブロックコポリマーの凝集体の構造制御や自己組織化構造制御をポリマーの機能・物性と組み合わせ、自在に制御することで動的秩序形成システムの開発を目指す。
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