2014 Fiscal Year Annual Research Report
細菌の細胞分裂ダイナミクスの構造機能相関解析
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamical ordering of biomolecular systems for creation of integrated functions |
Project/Area Number |
26102526
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松村 浩由 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324809)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞分裂 / 分裂メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
黄色ブドウ球菌を種として選抜することによって、これまで大量に精製することが困難とされてきたFtsZとFtsAをmgオーダーで精製した。懸案となっていたFtsAのATPase活性を確認すべく、精製したFtsAのATPase活性を測定した。酵素カップリングの系を用いて測定したところ、野生型FtsAには小さな活性があり、変異体V211N FtsAにはその約10倍の活性があることが分かった。その理由を明らかにすべく、野生型FtsAとV211Nの立体構造を結晶構造解析によって決定した。その結果、ATP結合部位の水の構造とリン酸リリースパス周辺の立体構造が少し異なることがわかり、V211Nのみで高いATPase活性がある理由が明らかとなった。更に、FtsZとFtsAの結合比を決定するために、FtsZ-FtsA複合体を精製し、それをエレクトロスプレーイオン化質量分析法によって測定した。その結果、FtsZとFtsAは1:1の比で結合することが分かった。さらに、FtsZ-FtsA複合体を小角散乱法によって測定して、その複合体の立体構造を低分解能ながら決定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
黄色ブドウ球菌を種として選抜することでFtsA, FtsZともに大量かつ高純度の精製に成功し、またFtsA単体についてはX線結晶構造解析に成功した。FtsZ-FtsA複合体の相互作用解析にも着手できていて発展が見込まれる一方で、複合体の構造解析に関しては、結晶化には成功しているものの、構造解析が可能な高分解能データの収集が困難であった。そこで新たにX線小角散乱法に取り組んだが、これについては予想外に良いデータが得られ、FtsZ-FtsA単体の分子の外形まで決定できることができた。よって、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
FtsZ単体の多量体形成様式やFtsZ-FtsA複合体の構造決定にまでは至っていない。今後は、FtsZ-FtsAの協調現象メカニズムを解明すべく、酵素カップリング法や化学的リン酸定量法など幾つかの活性測定法を試験して最適化した後に、その協調現象を解明する。さらに、蛋白質間相互作用に着目した阻害剤探索を行う予定である。また、NMRより多くのX線小角散乱のデータの蓄積によって、FtsZ単体の多量体形成様式とFtsZ-FtsA複合体の立体構造の決定をしたいと考えている。
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[Journal Article] Laser ablation for protein crystal nucleation and seeding2014
Author(s)
Hiroshi Y. Yoshikawa, Ryota Murai, Hiroaki Adachi, Shigeru Sugiyama, Mihoko Maruyama, Yoshinori Takahashi, Kazufumi Takano, Hiroyoshi Matsumura, Tsuyoshi Inoue, Satoshi Murakami, Hiroshi Masuhara, and Yusuke Mori
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Journal Title
Chem. Soc. Rev.
Volume: 43
Pages: 2147-2158
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Crystal structure of FtsA from Staphylococcus aureus2014
Author(s)
Junso Fujita, Yoko Maeda, Chioko Nagao, Yuko Tsuchiya, Yuma Miyazaki, Mika Hirose, Eiichi Mizohata, Yoshimi Matsumoto, Tsuyoshi Inoue, Kenji Mizuguchi, and Hiroyoshi Matsumura
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Journal Title
FEBS Lett.
Volume: 588
Pages: 1879-1885
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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