2014 Fiscal Year Annual Research Report
ジアジドプローブ法に基づく革新的標的タンパク質同定システムの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
26102717
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
細谷 孝充 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60273124)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 有機化学 / アジド / 光親和性標識 / 標的タンパク質 / 分子プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
天然物リガンドをはじめとする生命機能に関わる分子への理解を深め、効果的に制御するための新しい方法論の開拓が求められている。なかでも、生命機能発現において重要な役割を担っている天然物リガンドの標的タンパク質を迅速に同定できる手法の開発は重要な課題である。これに対して、本研究では、独自に開発した「ジアジドプローブ法」にもとづいた、さらなる革新的な標的分子同定システムの開発を目指し、とくに、光ラベル化タンパク質の超高感度検出法の確立を目指した質量分析による検出用タグ(マスレポータータグ)の開発と、標的同定プローブの簡便合成のためのアジド化合物合成に関する新手法の開発に取り組んだ。 その結果、今年度は、とくに後者に関して顕著な成果を得ることができた。具体的には、ジアジドプローブの迅速合成に有用な各種ジアジドビルディングブロックの短工程・高効率合成を可能とする1,3-置換ベンゼンの5位選択的なホウ素化を経る形式的なC-H結合アジド化反応の開発に成功した。本手法は今後、天然物リガンドをはじめとするさまざまな生物活性化合物の迅速プローブ化に大いに役立つと期待される。 また、ジアジドプローブ法による標的同定技術を利用した、本新学術領域内の班員との共同研究も進めた。具体的には、北海道大学薬学研究院の市川聡准教授が研究対象としている天然化合物の標的酵素上の結合部位同定のためのプローブ合成を支援するため、本研究の推進によりその合成が大幅に効率化されたジアジドビルディングブロックの一つを提供した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C-H結合直接変換に関して種々の知見が得られ、とくに今後のジアジドプローブ合成に大いに役立つと考えられる形式的なC-H結合アジド化反応の開発に成功するとともに、その成果の一部を論文発表することができたため、本研究はおおむね順調に推移していると自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、光ラベル化タンパク質の超高感度検出法の開発と標的同定プローブの簡便合成のための手法開発に取り組む。とくに、後者に関しては、C-H結合アジド化反応による迅速プローブ化技術開発の一環として、天然物リガンドのプローブ化に有用と考えられる脂肪族部位へのアジド基直接導入法の開発に取り組む。
|
Research Products
(5 results)