2014 Fiscal Year Annual Research Report
ドッキングと分子シミュレーションの連帯によるタンパク質複合体の高精度構造予測
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
26102722
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
齋藤 大明 金沢大学, 数物科学系, 助教 (40506820)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分子動力学法 / 分子ドッキング法 / 結合自由エネルギー / 自由エネルギー計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究はタンパク質-基質複合体の構造予測の精度向上を目的に,ドッキングシミュレーションと分子動力学(MD)シミュレーションを連帯させた新しい計算手法を提案し,これを用い,結合ポケット内における基質の最安定配向の探索手法の開発を行い,計算プログラムの開発とテスト計算を行なう.さらに結合自由エネルギー解析からタンパク質結合サイトの同定と結合構造の同定を行なう. 平成26年度ではMDシミュレーションを用いてapoタンパク質の結合ポケットの構造サンプリングを効率的に行った.得られたポケット構造に対してdrugable解析(ポケットの表面・体積・hydrophobicity解析)を実行し,リガンド分子に対する最適ポケット構造のスクリーニングを行った.これらMD計算によって得られたアンサンブル構造に対してドッキングシミュレーションを行ったところ,実験で得られるholoタンパク質構造と良い精度で一致するリガンド複合体構造が示され,開発した手法の有効性が示された.研究結果は幾つかの国内外の学会・シンポジウムにて発表し,研究論文として国際雑誌に投稿中である.今後は開発した研究手法を実際の標的タンパク質に対する薬剤スクリーニングに適用し,最適薬剤の候補選定の研究を行なう. オリジナルのドッキングプログラムの開発も行った.現状では,他の計算プログラム(DOCK6.6)と同程度の計算精度を持つプログラムとなっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ベースとなる計算手法は作成し,テスト計算から手法の有効性が示されたが,手法の汎用性の検証が不十分でありこれを行なう必要がある.またより高精度の結合構造予測のためにはリガンド-レセプターの結合自由エネルギー計算の導入が必須である.
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Strategy for Future Research Activity |
開発した手法の汎用性の検証のために,様々な標的タンパク質を対象にした計算を実行する.手法の精度を構造させるために計算パラメータの最適化を行なう.開発した研究手法を実際の標的タンパク質に対する薬剤スクリーニングに適用し,最適薬剤の候補選定の研究を行なう.自由エネルギー計算の導入によりより高精度のリガンド-レセプターの結合構造予測を行なう.
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Research Products
(21 results)