2014 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造に基づくGPCRとリガンドの相互作用の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
26102725
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島村 達郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90391979)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GPCR / リガンド |
Outline of Annual Research Achievements |
GPCRはシグナル(agonist)を受容し活性化されるが、agonistの結合様式に関する構造情報は限られている。その原因は、GPCRの活性型構造がagonistを結合させただけでは不安定だからである。ヒト由来のGPCRで唯一の活性型構造はβ2アドレナリン受容体で決定されているが、結晶化のためにはagonistに加え、細胞内側にnanobody(ラマ由来の一本鎖小型抗体、作製は一般的でない)もしくはGタンパク質を結合させる必要があった。本年度は,ラマより一般的なマウスに免疫することでGPCRにagonistが結合した状態を安定化させる抗体の作製を試みた。このようにして得られた抗体には、agonistの親和性を高め、拮抗薬(antagonist)の親和性を低くするものが存在した。このような抗体はagonistが結合した状態を安定化させる抗体と考えられた。そこで、これらを利用することでagonistが結合した状態のGPCRの結晶化を行った。その結果、これらの抗体のうち2種類については、抗体とGPCRの複合体の結晶を取得することに成功した。また、これらの結晶について大型放射光施設において反射をチェックしたところ、タンパク質由来の反射が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度の計画は、agonistが結合した状態のGPCRを安定化する抗体をマウスで作製し、それを用いてGPCRの結晶化を行うことであった。上記のようにH26年度は、agonistが結合したGPCRに抗体を結合させて結晶化、データ取得に成功しており、順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
分解能の向上のために結晶化条件を検討するとともに、得られたデータを用いて構造解析を行う。位相の決定は分子置換で行う。agonistとの複合体構造を決定できたら、agonistの結合様式を不活性型構造の場合と比較する。また、結晶構造を基にin silico スクリーニングも試みる。
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