2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん活性を有するフシコクシン誘導体の細胞内標的たんぱく質の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
26102727
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大神田 淳子 京都大学, 化学研究所, 准教授 (50233052)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フシコクシン / 標的同定 / 14-3-3 / 分化誘導活性 / たんぱく質間相互作用 / 安定化剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗がん活性を有するフシコクシン誘導体ISIR-042が14-3-3と一緒に会合する標的タンパク質(リン酸化リガンド)を決定し、ISIR-042の特異な生物活性作用機序を解明することを目的とする。本年度は免疫沈降実験の実施に向け、HEK293細胞を用いてFLAG-14-3-3zeta安定発現株を樹立することを計画した。ヒト14-3-3zeta遺伝子をpFLAG-CMV-4ベクターへ導入したプラスミドをFuGENE試薬を用いてHEK293細胞に形質移入し、細胞抽出液をFLAG抗体とpan14-3-3抗体を用いてwestern blotで解析したところ、目的のFLAG-14-3-3zetaたんぱく質の一過性発現を確認することができた。この細胞を抗生物質G418で選択圧を掛けた条件で培養すると、1か月後に細胞コロニーの生育が認められた。95個の細胞コロニーを96 well plateに採取し、ほぼ2日おきに24, 12, 6 well plate, 6 cm培養皿に順次継代した。ここで38個のコロニーについて、western blot解析を行ったところ、 D12番株に最も強いたんぱく質の発現が確認された。そこでD12株を大量培養に用いることとし、60g程度の細胞を取得した。今後はこの細胞の抽出液を用いた免疫沈降実験と質量分析によるたんぱく質同定を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は分子生物学実験と細胞実験に集中し、本研究の遂行に必須と考えられたタグ付き14-3-3たんぱく質の安定発現細胞の樹立を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度構築した安定発現株を用いて14L程度の培地から細胞を取得し、ライセートを作成してFLAG抗体による免疫沈降を実施する。このときFLAGペプチドで結合たんぱく質の追い出しを行い、非特異吸着たんぱくによって生じるバックグラウンドの軽減を図る。化合物依存的に14-3-3への結合が増強されるたんぱく質を質量分析で同定し、候補たんぱく質を絞り込む。全ての候補たんぱく質について抗体を用いた生物学的検証を行い、化合物が制御する信号伝達系を明らかにし、作用機序を明らかにする。また、ISIR-042含有光親和性プローブを用いた標的たんぱく質の検証も試みる。
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Research Products
(5 results)