2014 Fiscal Year Annual Research Report
海産梯子状ポリエーテル化合物イェッソトキシンの標的分子
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
26102731
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松森 信明 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50314357)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イェッソトキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
最近申請者は、毒化ホタテガイから単離された貝毒イェッソトキシン(YTX)をビーズと結合させることで、その標的タンパク質としてV-ATPaseサブユニットaを見出した。そこでV-ATPase活性を調べたところ、YTXそのものではなく、脱硫酸化YTX(dsYTX)に高い阻害活性が認められた。さらに、dsYTXは動物細胞の酸性オルガネラに損傷を与えることが示されたが、これもV-ATPaseの阻害によって引き起こされたものと推定される。また、dsYTXはYTXの生産者である渦鞭毛藻に対しても毒性を示すことが明らかとなった。このことから、硫酸エステル化の生態化学的な意義が明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、YTXの生産者である渦鞭毛藻に対するdsYTXの毒性について調べた。その結果、dsYTXが生産渦鞭毛藻に対して毒性を発揮することがわかり、硫酸エステル化によって生産者である渦鞭毛藻自身を保護している可能性を示すことができた。この発見は、生態学的な観点からも非常に興味深い。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、YTXを培養によって大量に調達したのちdsYTXへと導き、さらに光親和標識誘導体を合成する。これにより、V-ATPaseサブユニットaとの結合部位を同定する。標識後は常法に従いトリプシン消化を行い、ペプチド断片のnano-LC-MS-MSを行うことで相互作用位置の同定を目指す。この実験は松森および大学院学生が担当する。
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Research Products
(2 results)