2014 Fiscal Year Annual Research Report
天然物リガンドの「鍵」構造を解明するハイブリッドNMRアプローチ
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
26102735
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 栄夫 横浜市立大学, 大学院生命医科学研究科, 教授 (60265717)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | NMR / 蛋白質-リガンド相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、標的観測NMR解析を実施するために、研究対象となるAMPA型グルタミン酸受容体(AMPAR)リガンド結合ドメイン(LBD)の安定同位体(2H,13C,15N)標識試料の調製を行った後、HNCACB, HN(CO)CACBなどの数種類の多核多次元NMR測定による連鎖帰属法により、野生型のAMPAR-LBDの主鎖アミド基由来のNMRシグナル帰属を進めた。帰属作業に平行して、すでにシグナル帰属されているトリプトファン(Trp)残基側鎖シグナルを利用した解析を先行して行った。特に、リガンド結合部位から離れたAMPAR-LBDのローブ間界面付近に存在する2つのTrp残基のNMRシグナルに着目し、各種リガンド(アゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト)結合時の比較解析を行ったところ、リガンド薬理活性とある程度相関する化学シフト変化がみられることが明らかとなってきた。 また、リガンド結合に依存したAMPAR-LBDの誘起構造変化とリガンド薬理活性の相関の詳細を明らかにする目的で、AMPAR-LBD変異体を活用した解析も進めている。AMPARのT686A変異体は、キスカル酸に対する薬理活性は野生型と同等であるが、グルタミン酸の薬理活性が低下していることが知られている一方、野生型と変異体の立体構造にはほとんど相違がないことが、X線結晶構造解析により明らかにされている(Zhang et al. 2008)。野生型と変異体では、LBD領域の特定部位における動的構造の相違が存在するとの推定から、キスカル酸およびグルタミン酸結合状態での野生型・変異体AMPAR-LBDを調製し、NMRスペクトルの比較解析を開始した。今後、解析を進めていくことで、リガンド薬理活性を決定づける鍵となるNMRパラメーター変化を特定していく
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに取り組んでいる標的観測NMRアプローチを行うために必要となる、標的タンパク質の安定同位体標識試料調製、NMRシグナル帰属や、基礎的なリガンド相互作用データが得られてきており、おおむね順調に進んでいると考える。一方で、すでに確立したINPHARMAを活用したリガンド観測NMRアプローチを、本相互作用系に適用するための条件は現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、1種類の変異体を用いた解析を行っているが、さらに複数の変異体を活用した標的観測NMRアプローチを行うことで、リガンド活性を決定づける鍵となる標的タンパク質の構造変化およびNMRパラメーター変化を特定していくことが可能になると考えている。一方、リガンド観測NMRアプローチを適用するための条件検討を進めるとともに、新たな測定技術開発も検討している。
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Research Products
(9 results)