2014 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ステロイドの鍵構造アナログ創製と作用機序解析
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical Biology using bioactive natural products as specific ligands: identification of molecular targets and regulation of bioactivity |
Project/Area Number |
26102744
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平井 剛 独立行政法人理化学研究所, 袖岡有機合成化学研究室, 専任研究員 (50359551)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 植物酸化ステロイド / 鍵構造アナログ / 分子設計 / 有機合成 / 作用機序解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの知見に基づいて設計した鍵構造アナログの合成にむけて、今年度は3つの合成化学的な課題を設定し、これらのほとんどを解決することに成功した。 まず1つ目の課題であった「8-14位の炭素-炭素結合構築法の確立」に関しては、Rhカルベノイドを用いるC-H挿入反応によって達成した。周辺官能基、とくに近傍の保護基をこれまでと同じものを用いると望まない位置でのC-H挿入反応のみが高収率で進行した。これを解決するため、保護基とRh錯体上のリガンドを種々変更し、徹底的に検討した。その結果、目的の位置での挿入反応を高収率で進行させる保護基とリガンドの組み合わせを見出すことに成功した。 2つ目の課題は、C環部の構築法であった。これに関しては、13位への官能基、および立体選択的なC3、もしくはC4ユニットの導入が第一の鍵であった。これに関しても徹底的に検討し、C3ユニットの導入法を確立することに成功した。さらに、C環部を閉環メタセシス反応で構築すべく、その前駆体の合成に成功した。 3つ目の課題は、鍵構造アナログライブラリ構築に向けたB環部ユニットの連結法の確立であった。先に得たC-H挿入反応生成物から、ジエン構造に導き、ディエノフィルとのDiels-Alder反応を試みたところ、近傍に嵩高い置換基が存在しても中程度の転換率で目的物を得る条件を見出した。本条件を用いれば、様々な環構造を鍵構造アナログに組み込むことが可能であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した3つの課題について、一定の成果を得ることができたが、課題2のC環部構築に関しては、完全に解決できておらず、計画以上の成果を得るには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、アナログライブラリ合成にむけて、C環部構築法を早急に解決したいと考えている。また、その手法を用いて、設計したアナログの合成に着手したい。さらに、もっとも単純な鍵構造アナログを合成し、その生物活性と作用機序解析に取り組み、本研究の仮説の検証に取り組んでいきたいと考えている。
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Research Products
(8 results)