2014 Fiscal Year Annual Research Report
GUV内環境での脂肪鎖合成による動態変化観察とその物理
Publicly Offered Research
Project Area | Synergy of Fluctuation and Structure:Foundation of Universal Laws in Nonequilibrium Systems |
Project/Area Number |
26103511
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
車 兪徹 東京工業大学, 学内共同利用施設等, WPI研究員 (40508420)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソフトマター / 自己組織化 / 人工細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪鎖生合成過程に関わる9種の酵素(FabA、FabB、FabD、FabF、FabG、FabH、FabI、FabZ、TesA)についてアフィニティークロマトグラフィーとイオン交換クロマトグラフィーによる2段階の精製を終えた。精製度はSDS-PAGE解析により、95 %以上の精製度に達しており、脂肪鎖合成反応に十分であると言える。その他の酵素、Acyl carrier protein についてはApo型をHolo型に転換する補助因子sfpと共発現する必要があるため現在大腸菌を用いた発現系を構築中である。 また、giant unilameller vesicle(GUV)の調製方法について最適化を行い、安定してGUVを形成できる条件を決定した。合成リン脂質を用いてGUVの形成を行っているが、以前より低分子の膜透過性が高いことが問題となっていた。これに対し、GUVを形成する脂質組成に5-10%のコレステロール、またはデアシルグリセロールを加えることで、uncontrollableな分子の膜透過性を抑えることが可能であることを見出した。このようなGUVの光学的観察のために、Olympus社製の倒立蛍光顕微鏡を導入し、GUVの観察するための顕微鏡環境を整えた。 国内・国外を含めて10件以上の学会・ワークショプに参加し、研究発表を行った。特に2015年2月、2009年ノーベル賞受賞者であるボストン・ハーバード大学のJ. Szostak研と合同WSを行いProtocell研究の最新の知見と今後の重要性について意見を交換した。研究代表者が筆頭著者の論文が2報アクセプトされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパク質精製がスムーズに進み、予定通りに精製サンプルを入手することができた。 国内外の学会で多くの注目を浴びた。
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Strategy for Future Research Activity |
残る2つの酵素の精製を完了し、GUV内での脂肪鎖合成反応を行う。 多チャンネルによるタイムラプス撮影を行うために、昨年度導入した顕微鏡のversion upを行う。これにより、GUVの形態変化を観察し、その物理化学的解析をおこなう。 可能であれば、脂肪鎖のみで形成されるGUV内で反応を行い、GUVの自己複製を再現する。
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Research Products
(27 results)