2014 Fiscal Year Annual Research Report
移動する原子供給源による特異なステップパターン
Publicly Offered Research
Project Area | Synergy of Fluctuation and Structure:Foundation of Universal Laws in Nonequilibrium Systems |
Project/Area Number |
26103515
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 正英 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (20306533)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ステップ / 微斜面 / パターン形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ガリウム入射時のシリコン表面に現れるステップの櫛状構造の形成機構について調べることを目的としている。櫛状構造の形成には,結晶表面の構造変化が大きく関わっている。ガリウム入射により,結晶表面構造がステップ下段側から変化する。構造の相境界はステップの前方を前進し,それにともない,構造の相境界から過剰となったシリコン原子が結晶表面に放出される。放出された原子がステップで固化する際に櫛状パターンが形成される。簡単化すれば,ステップ直前に原子供給源があるときのステップのパターン形成の問題になる。
これまでに,相境界の移動速度と結晶の異方性を変化させ,どのようなパラメータ領域で櫛状パターンが現れるかを明らかにした。また,櫛状パターンがノイズの強さにどのように影響するかを調べた。 これらの結果から,櫛状パターンの最終的な櫛の歯状の枝の間隔は,いったん粒子供給源から遅れた直線ステップの不安定化が,どこまで引き離されるかによることが分かった。 引き離されたステップは粒子供給源に近づくまでに粗大化し,櫛状に伸びた枝の先端が粒子供給源に着くと粗大化が止まる。つまり,どこまで引き離されるかにより粗大化ができる時間が決まり,枝の間隔が決定されることになることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
櫛状パターンの最終的な櫛の歯状の枝の間隔について調べて,間隔が決まる過程が明らかになった。この結果については,Physical Review E 誌に論文として掲載された。また,国際会議ISSS7で,これらの結果を報告することができた。したがって,おおむね計画通りに進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に明らかになったシナリオは比較的低速度側で成り立つ。本件度は高速度側での振舞を知らべる。高速度側での枝間隔が決まるシナリオを明らかにし,低速度側とどのような違いがあるのかを明らかにする。 また,その結果については,結晶成長学会(年1回)および物理学会(年2回), 計算工学講演会(年1回)で報告予定である。また国際会議SFS2015で報告する。さらに,学内業務との調整がつけば国際会議(ベルギー)にも参加予定である。
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Research Products
(4 results)