2014 Fiscal Year Annual Research Report
可視高精度分光撮像測光による系外惑星大気の研究
Publicly Offered Research
Project Area | New Frontiers of Extrasolar Planets: Exploring Terrestrial Planets |
Project/Area Number |
26103703
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土居 守 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00242090)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 系外惑星 / 掩蔽観測 / 可視光分光観測 / 可視光同時撮像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画は系外惑星の掩蔽観測による大気モデルへの制限を行うことを、国内の1~2m級望遠鏡にとりつけた2つの装置(LISS, DMC)で行うことが目標である。平成26年度は、主に低分散分光器LISSの低分散分光モードを西はりま天文台のなゆた2m望遠鏡でたちあげることを中心に進めた。より具体的には、LISSのための分光用スリット、波長較正用光源、フィルターなどを製作し、26年7月に西はりま天文台にLISS全体を送った。試験観測を7月に行い基本的性能を確認、その後、4回試験観測を実施した。 試験観測において掩蔽観測で重要な特に、ガイダーによる観測の性能を確認できた。また、国内においては最も暗いg~19.5等級の超新星の同定に成功した。これによって、LISSはほぼ当初の性能を満たすことが確認でき、次回には多天体用スリットを用いた掩蔽観測が行える状態にできた。 DMCについては、CCDの高速読み出しのため、CCDそのものの交換をする計画とし、追加予算の努力を行った。幸い27年4月に予算が認められ、具体的に交換へと進んでいけることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
LISSの立ち上げはほぼ順調で、あとはスリットを系外惑星用に製作すれば観測可能である。 DMCはCCDをできるだけ高感度のものにするため追加予算を待った。そのため、予定よりやや遅れているが、より性能の高い状態で系外惑星掩蔽観測が可能となる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度はLISSについては明るい系外惑星系にあわせた多天体スリットを製作し、観測を行う。特にMuSCAT3色同時撮像カメラを岡山天体物理学観測所74インチ望遠鏡に取り付けての観測と、LISSを西はりま天文台なゆた2m望遠鏡にとりつけての観測を同時に行い、できるだけ装置の特性と大気の影響をきりわけた観測を行う予定である。 またDMCについてはCCD、読み出しエレクトロニクス、デュワーなどの更新を行う。CCDは完全空乏層型の高感度CCDとし、エレクトロニクスは木曽観測所広視野カメラKWFC用に開発されたKiso Array Controllerを改良して用いる。いずれもLISSでの経験の延長上にあり、大きな技術的な問題はないと思われ、研究協力者の大学院生を中心に製作を行っていく予定である。
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