2015 Fiscal Year Annual Research Report
光・電子過程を内包するメタロセン系イオン液体の開発と動的挙動の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Science on Function of Soft Molecular Systems by Cooperation of Theory and Experiment |
Project/Area Number |
26104524
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
持田 智行 神戸大学, 理学研究科, 教授 (30280580)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタロセン / 金属錯体 / イオン液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、特徴的な光物性・電子物性を示すメタロセン系イオン液体物質の設計・構築を目的とする。 第一に、イオン液体の液体物性とキラリティーの相関を調べた。従来、多数のキラルイオン液体が合成されているが、キラリティーと液体物性の相関は明らかとなっていない。そこで本研究では、キラルな分岐型アルキル基を導入したルテニウム錯体をカチオンとするイオン液体を合成し、キラルカラムによる光学分割を行った。その結果、ラセミ体ではキラル体に比べて結晶化が抑制され、低温まで液体状態を保つことが判明した。光学純度に対する2成分相図を作成し、この系ではラセミ体がコングロメラートを形成していることを明らかにした。こうして本系では、混合エントロピーの効果によって、ラセミ体はキラル体より大幅に融点が低下することが判明した。以上のように、キラリティーが液体物性に及ぼす効果を解明し、ラセミ体の使用がイオン液体の融点低下に有効な方法になりうることを示した。 第二に、これらのメタロセン系イオン液体に光反応性部位を導入することにより、化学反応を起こす液体の開発を進めた。その結果、対アニオンとしてシアノ系アニオンを用いたルテニウム錯体系イオン液体では、紫外光照射によってカチオン・アニオン間で架橋反応が起こり、配位高分子固体が生成することを見出した。カチオン骨格にアルキル基を1本もしくは3本導入した置換体を合成し、その液体物性および光反応性を評価した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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