2015 Fiscal Year Annual Research Report
世界最高輝度X線を用いた真空の構造の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
26104701
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
難波 俊雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (40376702)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 素粒子実験 / 量子電磁力学 / 真空の構造 / X線光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は実験のフェーズ 2として、実験装置の高感度化を行い、そのセットアップを用いてX線自由電子レーザー施設(SACLA)で光子・光子散乱の測定を行った。 昨年度までの経験をもとに、X線を分岐、交差させるシリコンのラウエ散乱結晶や、ビームを単色化するチャンネルカット結晶、X線を検出するためのゲルマニウム半導体検出器などを最適化した。SACLAのビームタイム(2015/11/11から11/14の2.5日)にビームラインでの調整と測定を行った。10.985keVのX線を利用し、結晶や検出器等の調整が順調にできたため、測定時間は計34時間とることができた。また、ビームタイム内に、別途、ワイヤースキャンを行い、ビームサイズ(縦134±7μm、横0.977±0.028μm)も実測した。SACLA自身のX線ビーム強度が昨年よりも強くなっていることもあり、昨年度と比べて2桁以上の高い感度で探索することができた。取得したデータを解析し、SACLAのX線と同じタイミング(0.4μs以内)でシグナルが予想されるエネルギーの領域(17.6から20.4keV)を調べたところ、検出されたイベントは全データ通じて0イベントであった。このことから、重心系エネルギー6.46keVにおいて、光子・光子散乱の散乱断面積の上限値1.9×10e-27平方メートル (信頼レベル95%)が得られた。これは、今までX線領域で最も厳しい制限であったわれわれの昨年度の結果を、約200倍向上したものである。 この結果について、研究会、物理学会で既に発表を行い、現在、学術雑誌に投稿するための論文を執筆中である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)