2014 Fiscal Year Annual Research Report
吸収層を用いる画期的ハドロンカロリメータの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
26104703
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
竹下 徹 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (70154995)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハドロンカロリメータ / チェレンコフ光 / 鉛ガラス / 吸収層 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハドロンエネルギー測定精度の向上を目指す研究である、そのために吸収層からの情報を用いる。ハドロンカロリメータの吸収層から情報を得るため、チェレンコフ光の利用を研究課題としている。 通常のハドロンカロリメータの吸収層は、鉄など原子番号の大きい高密度の物質で出来ており、なんの情報も与えない。本研究では重い吸収物質を鉛ガラスで作りそこを通過する荷電粒子の発生するチェレンコフ光を情報として用いる研究を行った。Particle Flow Algorithm 型のカロリメータを仮定して、細分化した吸収層で最小の厚さを探った。旧来の鉛ガラスと薄い光センサーの組み合わせをまず基準として相対光量を測定し、シミュレーションに反映させる順序を取った。鉛ガラス4cmからの最小のチェレンコフ光量は、3mmx3mmの半導体光センサーでおおよそ10光子と測定された。これはほぼ最低値であり、分解能の向上のためには、光量の増加が必要である。 このためにチェレンコフ光の内鉛ガラス内で吸収される短波長の光を、波長変換物質により長波長に変換し、光センサーで測定する事を本研究が第二の目的である。通常の波長変換物質は有機物で作られているものが一般的である。これらの効果は、アクリルやポリスチレンの様な有機物に混合して測定された。また鉛ガラスのような無機物に混入させる事の出来る波長変換物質としてナノ粒子あるいは量子ドットと呼ばれるものを見つけ混合を試した。その結果、有機物については、数倍の光量の増加が観測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鉛ガラスなどからの最小チェレンコフ光の測定結果は、ハドロンカロリメータとしての最小測定単位のサイズが40mmの長さが必要であることを示した。測定精度向上のための光量増加が重要であり、第二の研究目標の成果に掛かっている事を示した。有機物質では、チェレンコフ光量を増加させる波長変換物質を調達し、混合し、テストできた。その結果は予想通り、光量の増加が観測された、一方ナノ粒子あるいは量子ドットの場合は樹種の困難がある事がわかった。その一つは、鉛ガラスへの混入には1000度以上の温度で混合が行われる事が必要で、ここでナノ粒子が安定かどうか解っていない。見つけたナノ粒子(量子ドット)の一つは劇物であり、混合製造を行う企業がない事である。その結果、研究は、別の種類のナノ粒子(量子ドット)の探索と入手に手間取り、遅れを見せている。
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Strategy for Future Research Activity |
チェレンコフ発生物質の生成に1000度超を要求しない場合について、研究は行われる。例えば、液体で存在し得る場合、容器に満たしてチェレンコフ光量を測定を実行し波長変換の効果を確認するという方法がある。
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Remarks |
CALICE collaboration
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Research Products
(6 results)