2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミューオン異常磁気能率のアノマリーを説明する新物理の現象論的研究
Publicly Offered Research
Project Area | Particles Physics opening up the Tera-scale horizon using LHC |
Project/Area Number |
26104705
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
戸部 和弘 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20451510)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミュー粒子異常磁気能率 / 標準模型を超える理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミュー粒子異常磁気能率(muon g-2)の実験値と標準模型の予言値の食い違いを、どのような標準模型を超える新物理で説明出来るかを研究した。特に、2 Higgs doublet model(2HDM)でμーτフレーバーの破れがある模型を考えて、muon g-2のアノマリーを説明出来る可能性を詳しく研究した。μーτフレーバーの破れを考えたのは、LHC実験のCMSグループがヒッグス粒子の崩壊でh→μτの現象の兆候を報告したのに動機付けられている。標準模型では起こらないこのようなフレーバーの破れが2HDMでは自然に導入されることはよく知られているが、我々はこのようなμーτフレーバーの破れの相互作用が、muon g-2に大きな量子補正を生成することを発見し、これによって現在報告されているmuon g-2の標準模型の予言値からのズレを説明出来る可能性があることを示した。(JHEP 1505, 028 (2015)) もしこの可能性が本当である場合には、タウ粒子の崩壊τ→μγの現象が将来のSuperKEKB実験で観測される可能性があることを指摘した。さらにτ→μνν過程にも、重要な補正を生成する可能性を見つけ、この過程の精密測定及びτ→eνν過程とのレプトンユニバーサリティーの破れの精密測定の重要性を指摘した。またその他様々なμ、τ粒子の崩壊現象などへの影響も詳しく解析し、将来の実験の重要性を示した。(arXiv:1511.08880) この研究に関しては、幾つかの国内、国際会議で発表したのに加え、J-PARCのCollaboration meetingを始めとして、IPMU, 九州大, KEK, 首都大, 富山大, 島根大にセミナーに招待され、多くの理論家、実験家の人たちと議論ができて有意義であった。またミシガン大、ミシガン州立大を訪問した際に、この話題についてセミナーをし、そこでも理論家、実験家の人たちと有意義な議論ができた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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