2014 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー大気ν流束推定へ向けた気球高度で生成されるチャーム粒子測定手法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
26105510
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
六條 宏紀 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 研究員 (00725814)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 宇宙線 / 素粒子 / 気球実験 / 原子核乾板 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで開発してきたMIPが乳剤層を通過した際に残す銀粒子線密度が従来の約2倍となる「高感度原子核乳剤」を本実験に導入すべく乳剤製造作業をルーチン化した。量産した約150kgの高感度原子核乳剤をプラスチックフィルムに塗布し50平米の原子核乾板を製造した。これによって自動スキャンによる読取ミスの 発生確率が20%→数%と大幅に改善出来、観測データの解析の作業効率が飛躍的に向上することが期待される。 加えて、原子核乾板の積層構造の形状を観測時に強固に保持するため、気球搭載型圧力容器を開発した。地上での加圧試験、環境試験を経て容器内外の差圧200hPaを24時間以上保持出来る軽量の圧力容器を完成させた。 気球に搭載する、ゴンドラ、原子核乾板、タイムスタンプ用精密駆動ステージ、姿勢モニタ用スターカメラのオーストラリアへの輸出を完了させた。2015年度、これらを打ち上げ、フライトデータを取得する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気球フライト予定時期が半年延期になった。その間、原子核乾板の製造を休止し、その他の搭載機器の追加試験を実施し、信頼性の向上を図った。半年後、スライドさせた計画を組み直し、乾板の製造を再開し、気球実験の実施体制を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
気球実験を遂行し、フライトデータを取得する。現像後の原子核乾板の飛跡読取を名古屋大学で稼働する読取装置で行い、解析体制を整える。検出器内でのハドロン反応の検出手法を確立し、チャーム粒子候補を探索する。
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Research Products
(3 results)