2015 Fiscal Year Annual Research Report
ハフニウム多層障壁層窒化物超伝導体トンネル接合検出器の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
26105511
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
赤池 宏之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20273287)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 超伝導材料・素子 / 窒化物超伝導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、窒化物超伝導トンネル接合のトンネル障壁層として、窒化物との反応性が低いことが予想されるハフニウム(Hf)に着目、それを用いた窒化物超伝導トンネル接合検出器の開発を行うことを目的としている。平成27年度は、前年度に確立した接合作製プロセスに基づき、窒化ニオブチタン(NbTiN)超伝導体を用いたNbTiN/Hf-HfOx/NbTiN接合を作製した。この接合では、下部電極上にHfを堆積、その表面の熱酸化によりHfOx障壁層が形成された。また、比較検討のためにプラズマ窒化AlNx障壁を用いた接合の作製も行った。 両接合の比較では、Hf及びAl常伝導層膜厚が3nmのとき、Hfの方が、検出器応用上重要なサブギャップリーク電流の小さな特性を示すことがわかった。一方、2nmでは、下層の凹凸に対してほぼ均一に膜が堆積されるAlの方が良い結果となった。Hfの場合は、下層の凹凸を平坦化するように膜が堆積されるため、膜厚が薄い部分ができ、リーク電流を増加させたものと考えられた。このことから、Hf層の膜厚に下限値があることが分かった。一方、膜厚を6nmに厚くした際にもAlの方が良かった。これは、用いたHfが高抵抗率であるため、接合特性に強い常伝導層の効果が表れたことによる。この高抵抗率の影響は、比較のために作製したNbTiN/Hf/Al-AlNx/NbTiN接合においても確認された。接合特性のHf膜厚依存性から、Hfの常伝導コヒーレンス長は13nm程度と見積もられ、高抵抗率を反映した小さな値となった。従って、接合特性の改善には、Hfの低抵抗率化が重要であることが分かった。また、HfOx障壁層形成法の新たな試みとして、熱酸化にかわりラジカル酸化法を用いた接合を作製したところ、サブギャップリーク電流の小さな接合特性を得ることに成功し、今後につながる成果を得た。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)