2014 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノ質量起源としての新型ヒッグス模型の宇宙論的研究
Publicly Offered Research
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
26105514
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
瀬戸 治 北海学園大学, 工学部, 准教授 (40547741)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ニュートリノフィリックヒッグス模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の目的は、複数のヒッグ場を持つ素粒子模型の一種でニュートリノの質量の起源の生成のみを担うヒッグス場(ニュートリノフィリックヒッグス模型)の宇宙論・宇宙物理的の側面を研究し、ニュートリノ質量起源としてのニュートリノフィリックヒッグス模型の性質や構造、実験・観測的制限を明らかにすることです。 具体的な課題として、ニュートリノフィリックヒッグス模型における(1)スニュートリノ暗黒物質とμ粒子異常磁気能率、(2)銀河中心から飛来しているガンマ線過剰の暗黒物質解釈、(3)非対称暗黒物質からの宇宙線放射、(4)不活性暗黒物質の解析、を設定し(1)(2)を初年度、(3)(4)を次年度に行う計画で申請した。 当該年度は、まず予定通り(1)に着手し超対称化した模型についてμ粒子異常磁気能率を計算し素粒子標準模型の理論値とずれている実験値を説明出来るパラメーター領域を同定した。その際、課題(3)も比較的容易に計算出来ることに気づいたため、合わせて計算し、課題(1)と(3)の結果1つの論文にまとめ、超対称ニュートリノフィリックヒッグス模型の総合解析という形で論文にまとめて発表した。(2)についても計算を行ったところ、銀河中心のガンマ線過剰に関しては、ニュートリノフィリックヒッグス模型よりも最も標準的な2型2ヒッグス二重項模型の方がよりよく現象を説明出来ることが分かり、論文を発表した。結果として、初年度に(1~3)の課題を完了させることが出来た。それに加え、本来の本研究課題の目的とは多少ずれるが、前年度末(2014年3月)に、突然BICEP2チームにより、マイクロ波宇宙背景輻射内のB型偏光成分から原始重力波の検出の発表があったことから、それに対応する論文も発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時に該当年度の計画課題であった課題(1)(2)に加え、次年度に行う予定であった課題(3)も完了させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度に行う予定であった課題(4)を完了させ当初の計画の遂行させること、余裕があれば更なる研究に発展させることを目指す。
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