2014 Fiscal Year Annual Research Report
高分子固定化型キラル有機分子触媒によるワンポット合成法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Advanced Molecular Transformations by Organocatalysts |
Project/Area Number |
26105729
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
原口 直樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30378260)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有機分子触媒 / 高分子固定化 / キラル高分子 / 高分子触媒 / 不斉反応 / イオン結合 / ワンポット反応 / サイトアイソレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はキラル有機分子触媒を種々の高分子に固定化した、高分子固定化型キラル有機分子触媒(PC)の合成を行い、複数の高分子固定化型キラル有機分子触媒を用いた、光学活性化合物のワンポット合成システムの確立を目的とした。本年度はPCの系統的合成とPCを用いた不斉反応に関する知見を得ることを目的とした。 これまで、シンコナアルカロイド、シンコナアルカロイド四級塩、キラルイミダゾリジノン塩(MacMillan触媒)、丸岡触媒、プロリノール誘導体、キラルピロリジン触媒などの有機分子触媒を高分子に固定化した、種々の高分子微粒子固定化型キラル有機分子触媒(PC1)、架橋高分子固定化型キラル有機分子触媒 (PC2)およびキラル有機分子触媒組込型高分子(PC3)の合成に成功した。本研究で開発した合成法により、目的の反応に合わせた共有結合型またはイオン結合型高分子触媒を調製することができ、特にPC3はいくつかの重合法と組み合わせた多様な高分子触媒を提供することが可能となった。 合成したPCの触媒活性に関する知見を得るために、PCを用いた触媒的不斉反応を行った。いずれのPCも高分子構造をチューニングすることにより、対応する低分子触媒と同等以上の触媒性能を示したことから、高分子構造が不斉反応の反応性や立体選択性に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。また、PC1は回収・再使用性、PC2は合成の容易さ、高分子構造の多様性、PC3は不斉選択性にそれぞれ優れていることが明らかとなり、用途・目的に応じた使い分けが可能であることを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度計画は高分子固定化型キラル有機分子触媒(PC)の合成として、高分子微粒子固定化型キラル有機分子触媒(PC1)、架橋高分子固定化型キラル有機分子触媒 (PC2)、キラル有機分子触媒組込型高分子(PC3)および多分岐高分子固定化型キラル有機分子触媒(PC4)の合成を計画しており、ほぼすべてのPCの合成ができた。また、平成27年度に実施予定のPCを用いた触媒的不斉反応にも既に着手していることから、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度はPCを用いた触媒的不斉反応とPCを用いたワンポット合成反応を行う。 まず、高分子に導入した有機分子触媒に対応した不斉反応を行い、PCの触媒性能の評価を行う。不斉反応における転化率、生成物の収率、立体選択性、触媒の再使用性に関して、PCの特徴を明らかにすると共に、PCの合成条件を再検討し、高性能PCの開発を目指す。さらに、コモノマー構造の設計により、SPの親水性-疎水性バランスを調節したPCを合成し、水系での不斉反応に適用することで、環境調和型不斉反応を行う。 次に、上記の不斉反応の知見を基に、複数のPCを用い、ワンポット合成を行う。各反応における転化率、生成物の収率、立体選択性から各PCの触媒性能評価を行う。特にPCの組み合わせを精査し、プロセス化学の観点から実用性の高い反応系の開発に注力する。さらに相反する性質の触媒によるワンポット合成や高収率かつ高立体選択性で光学活性化合物が得られ、高い再使用性を有する(またはフローシステムへの応用が可能な)環境調和型PCの実用的開発を目指す。
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