2014 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトロスコピックX線回折イメージングによるナノスケールX線吸収分光
Publicly Offered Research
Project Area | Exploration of nanostructure-property relationships for materials innovation |
Project/Area Number |
26106515
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 幸生 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00415217)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | X線 / 金属物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
スペクトロスコピックCXDIの実現可能性について計算機シミュレーションを用いて検討した。CXDIにより高い空間分解能を有するXAFSイメージングが原理的に可能であるが実験的には容易でない。なぜなら、XAFSスペクトルに現れる微細構造は変化が微弱であり、極めて高い感度でCXDI実験を行う必要があるからである。また、高い空間分解能を達成するためには、微弱な高角散乱強度を高い信号帯雑音比で取得する必要がある。サイズ500nmの鉄粒子からなるモデルについて、CXDIの計算機シミュレーションを行った。入射エネルギーを鉄のK吸収端を含む7.11 keVから7.15 keVの間の9点とし、回折強度パターンの強度ダイナミックレンジを4桁から8桁まで変化させた。位相回復計算により試料像の再構成を行った結果、強度ダイナミックレンジが6桁以上のとき鮮明な再構成像が得られ、複素透過関数から求まる吸収係数は入力値との誤差が3%程度であった。また、吸収スペクトルに見られる特徴的な微細構造を良く再現していた。このシミュレーション結果より、スペクトロスコピックCXDI実現には従来の実験と比較して1000倍程度大きなダイナミックレンジで回折強度パターンを取得する必要があることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、スペクトロスコピックCXDIの実現可能性について計算機シミュレーションを用いて検討した。その結果、スペクトロスコピックCXDIを従来の方法で実現することが困難であることが判明し実験には至らなかったが、スペクトロスコピックCXDIを実現するための新測定法の検討しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
スペクトロスコピックCXDIを実現するために、回折強度パターンをダイナミックレンジを圧縮する新手法の開発を行い、その早期実証を目指す。
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