2014 Fiscal Year Annual Research Report
ラベルフリー超高速幹細胞4Dセンシング・マニュピレーションデバイスの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
26106708
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
武居 昌宏 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90277385)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 混相流体工学 / 電気計測 / 分離工学 / マイクロデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、単離された細胞を配列、分離させる従来の細胞操作手法の発想を根底から転換し、細胞群に着目し3次元的に配置された電極を有するマイクロ流路を用い、細胞群の時間と空間をあわせたラベルフリー4Dセンシングと、交流電場力を空間的・時間的に制御し細胞群を分離、制御可能な4Dマニュピレーションとの融合を提案し、ラベルフリー細胞群4Dセンシング・マニュピレーションデバイスを開発することを目的とする。 本年度の実施内容は以下の通りである。 実施項目1「積層電極内装型マイクロ流路の作製」直径800μmの円形流路の周囲に20個の電極を5列合計100個配置したマイクロ流路を自作にて作製した。/実施項目2「MPT法用感度マップの計算」新しく設計した積層電極内装型マイクロ流路に対して、ガウス法則とラプラス方程式の連立微分方程式を解き、感度マップを計算した。/実施項目3「静止状態における3Dセンシング」積層電極内装型マイクロ流路内に、細胞群の形状・電気特性の差異を初期条件として供給し、固液比、培養液のPHをパラメータとし、静止状態でその粒子濃度分布をセンシングした。/実施項目4「静止状態における交流電場力に対する細胞群挙動」細胞群の形状・電気特性の差異を初期条件として供給し、固液比、培養液のPH(導電率・誘電率)、電極印加パターンをパラメータとし、印加電圧・印加周波数に対する細胞群の濃度分布と3D速度分布を計測し解析した。/実施項目5「細胞群挙動のシミュレーション」実施項目4の条件において、誘電泳動力、AC電気浸透力、および熱効果力の交流電場力を3Dで求め、粒子ラグランジュ追跡法により、細胞群挙動のシミュレーションを行った。 本技術は、肝細胞や膵島細胞などの細胞移植用細胞群の計測・精製を目標に入れて、幹細胞技術への貢献も視野にいれ実施しており、従来1Dであった分離が時空間に展開できることを意味し、その効率性は計り知れない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施項目1「積層電極内装型マイクロ流路の作製」直径800μmの円形流路の周囲に20個の電極を5列合計100個配置したマイクロ流路を作製でき、全ての電極の導通も取れた。 実施項目2「MPT法用感度マップの計算」マイクロ流路垂直断面の細胞群位置の全パターンについて感度マップを計算できた。 実施項目3「静止状態における3Dセンシング」静止状態での粒子濃度分布を全パラメータで3Dセンシングができた。 実施項目4「静止状態における交流電場力に対する細胞群挙動」印加電圧・印加周波数に対する細胞群の濃度分布と3D速度分布を全パラメータで計測できた。 実施項目5「細胞群挙動のシミュレーション」実施項目4の条件において、細胞群挙動の全パラメータのシミュレーションができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
H27年度は研究ステージ2「細胞群濃度分布の4Dセンシングと4Dマニュピレーション」を行う。具体的な計画は以下のとおりである。 実施項目2-①(H27/4-5):100個の電極間の超高速スイッチングと電位印加の同期を取るために、MATLABを用いて、プログラミングを行う。静止一様分散液体を用い、作成したプログラムを調整するとともに、その精度の評価を行う。/実施項目2-②(H27/6-7):細胞群の形状・電気特性の差異を初期条件として供給し、固液比、流量、培養液のPHをパラメータとし、印加電流と周波数をさまざまに変化させる。MPT法を用いて多種の濃度分布画像を取得しデータベースを構築する。/実施項目2-③(H27/8-9):細胞群の規模(構成細胞数)を初期条件として供給し、その形状により、マニュピレーションできるか定量的に評価する。垂直断面2と4において交流電場力をかけた場合、垂直断面1では均一に分散していた細胞群が、垂直断面3、5と下流に行くにしたがって大きな細胞群のみ特定位置に配置されていくことが予想される。/実施項目2-④(H27/10-11):細胞群の電気特性の差異を初期条件として供給し、2-③と同様に、マニュピレーションについて定量的に調べる。特に、目的細胞との差異が小さい評価条件においてマニュピレーション能力を詳細に検証する。/実施項目2-⑤(H27/12-H28/2):2-③の条件において、流体力をナビエ・ストークス式から求め、誘電泳動力、AC電気浸透力、および熱効果力の交流電場力を3Dで求め、粒子ラグランジュ追跡法により、流動場における細胞群挙動のシミュレーションを行う。/実施項目2-⑤(H28/3):まとめ
|