2014 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節の器官構築に向けた3次元器官培養法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
26106720
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 一郎 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70241643)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 再生医学 / 細胞組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を基盤材料とした基底および数本の流路を付与した、新規の培養システムを構築する。マウス未分化間葉細胞から軟骨ペレットを作製し、マイクロ流路からサイトカイン含有の培地を供給しつつ、多孔PDMS膜を設置した培養チャンバー内で顎関節下顎頭軟骨様の組織構造をin vitro で再現することにより、下顎頭軟骨再生モデルの構築を目指す。 まず、マイクロチャンバー内に入れる軟骨ペレットの条件の検討を行った。胎齢10日のマウス四肢胚を摘出後、トリプシン・コラゲナーゼにより細胞を分散し、再懸濁、遠心することでペレットを作製した。1~21日間の培養を行い、4%PFAにて固定を行ったのち、パラフィン切片を作製、I, II, およびX型コラーゲンの免疫染色を行った。培養初期においては、I, およびII型コラーゲン陽性、X型コラーゲン陰性であったのに対し、培養7, 14, 21日目のペレットにおいては広い範囲でX型コラーゲン陽性像が認められた。 また、培養デバイスとして、マイクロチャンバーの底面に多孔PDMSメンブレンを有し、チャンバー上面からは数本のマイクロ流路により培地の供給をはかり、チャンバー下面から培地を排出する構造を設計した。まず、レーザー描画装置でパターンを転写し、作製したフォトマスクからのモールドを作製し、培養システムの流路および基底の多孔PDMS膜を作製した。培養チャンバー底面の多孔PDMS膜の作製方法については、モールドで付与する方法やスクロース混和による方法などを検討した。さらに、流路に親水化処理を行い、その他の作製した装置と組み合わせることで、マイクロ流路培養システムを作製することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の検討より、培養デバイスへ挿入することを目的とした、マウス胎生期四肢胚より作製した軟骨ペレット作製の条件設定はおおむね終了している。培養チャンバーへ挿入するタイミングとしては、軟骨分化の初期段階にある培養1~2日目のペレットが適していると判断できた。また、培養チャンバー底面の多孔PDMS膜の作製方法については、モールドで付与する方法やスクロース混和による方法などを検討してきたが、研究協力者の尽力もあり、モールドで付与可能な作製条件が整った。マイクロデバイスのデザインの変更はすでに完了しており、近日中に新規デバイスの使用を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
培養チャンバー底面の多孔PDMS膜はモールドで作製することとした。マイクロデバイスのデザインの変更はすでに完了しており、近日中に新規デバイスの使用を開始する予定である。PDMSを基盤材料とした基底および数本の流路を付与したマイクロデバイスに改良を加える。軟骨分化に関与するサイトカインを添加した培地を流路より供給し、また、マウス胎生期四肢胚由来細胞を遠心、培養してできる軟骨ペレットをデバイス内に設置し、下顎頭モデル軟骨を作製する。添加するサイトカインとしては、IHH, BMP2, 4, 7およびFGF2, 18を検討する。 作製した下顎頭モデル軟骨は、4%PFAもしくは4%PFA+0.5%グルタールアルデヒドにて固定後、パラフィン切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン染色やトルイジンブルー染色で組織構造を通常の下顎頭軟骨と比較検討し、さらにin situ hybridizationによりSox9やCol2a1などの軟骨分化マーカーであるmRNA発現の局在について検討を行い、下顎頭軟骨の再生モデル作製に適した条件を探る。さらに、マウスATDC細胞株を用いて同様の実験を行い、至適条件を検討する。 また、構築した下顎頭軟骨モデルを生体へ適応することにより、周囲組織との適応状態や咀嚼機能の解析を行うことにより、下顎頭軟骨モデルとなり得る条件について検討を行う。
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